2018年1月23日火曜日

あんぱん有名な木村屋総本店、袋パン事業が「捨てる経営」でV字回復 (12)

対談を終えて(山田の所感)


 世の中で「プロ経営者」というと、外部招聘されて大企業の経営を任されたり、大手外資系企業の社長上がりの経営者など、著名な方の顔がいくつも目に浮かぶ。私自身や私の先輩、新将命(あたらしまさみ)氏なども、いくつもの会社を任されたということでは、その走りみたいなものだった。しかし、私たちの時代ではまだ「プロ経営者」という言葉も使われておらず、複数の会社の経営の任に当たるのは例外的な存在だった。

 今世紀に入り、企業のM&A(合併・買収)が盛んになるのと軌を一にして、経営者層の流動性が一気に高まってきた。しかし、他の会社の、そして見知らぬ会社の経営を素手で引き受けられる、それこそ「プロ経営者」人材の供給はまだまだ足りない。

 そして、特に供給とのミスマッチが生じているのが、中堅中小規模の会社だろう。その意味で、木村屋総本店のケースは外部からの着任経営者が本当に草の根レベルまで浸透していくのか、好個な試金石と見ることができる。経営者として福永氏と同様なキャリア・パスを通過した私としては、福永氏の経営手腕と同社の再活性化の道筋をぜひ見守っていきたい。

(この項 終わり)

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