2018年1月22日月曜日

あんぱん有名な木村屋総本店、袋パン事業が「捨てる経営」でV字回復(11)

福永氏が考える「プロ経営者像」


――福永副社長が木村屋総本店に入る前のご経歴を教えてください。

福永 大学を出て新卒で日本生命に入社し、14年間勤務しました。その後、製造業の会社を活性化する仕事をしたいとの思いから、コンサルティング会社に5年間勤務し、事業会社では経験できなかった多くのことを学びました。

――その後、経営職に就かれたのですか。

福永 日本航空の再生を手がけたことで知られる企業再生支援機構に移り、再生支援に乗り出した事業会社に派遣される機会を得ました。

――どんな会社だったのですか。

福永 中堅の印刷会社で2年間構造改革担当役員として指揮を執らせてもらいました。この印刷会社が無事にイグジットした際に、木村屋総本店の構造改革の話をいただき、経営共創基盤からの派遣経営者として13年の4月に着任しました。

――2社の再建を手がけて、どんな感想を持たれていますか。

福永 「中小企業だから」「少子高齢化だから」「大手スーパーが強いから」などと考えて諦めている経営者がいるとすれば、考え方や行動の仕方を変えると、まだやれる部分があるな、というのが私の思いです。

――福永さんはいわゆる「プロ経営者」ですが、「プロ経営者」とはどんな経営者だとお考えですか。

福永 いろいろな要素があります。ターンアラウンド(方向転換)できるのは、その会社の既得権や過去の習慣を壊せる人です。それから、軸がブレないということです。カリスマ性などよりも、変革フェーズではトップの軸がぶれないことは極めて重要なことです。

 論理的に、戦略的に意思決定できる、ということも重要です。それもスピーディに。そして事業特性に応じた利益創出のパターンを見つけて仕組み化できることが必要でしょう。キャラクター的には猪突猛進で突き進む勇ましい人ではなく、行動、言動に根拠がある人、ということでしょう

(この項 続く)

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