2014年2月7日金曜日

『魂の経営』 古森重隆 書評192(1)

東洋経済新報社、新刊。

富士フイルムの救世主となった経営者による待望の書。ジャック・ウェルチ『我が経営』(日経ビジネス人文庫)以来の、経営者自身による最高の教訓が含まれる経営実践教書である。

コダックと並んで、富士フイルムは世界を2分する写真フィルム・メーカーだった。
「トヨタから車が消えた」
とは、古森氏が社内で危機感を煽るために使った表現と本書にある。
カメラがディジタルに移行して、銀塩フィルムは(ビジネス規模的には)この世から消滅したと言ってよい。その大きなうねりの中で、一方の雄コダックは為す術なく消え去ってしまった(2012年に連邦破産法を申請した)。ところが、富士フイルムはその危機を乗り越え、業容を全く一新し、今や絶好調である。

彼我の差異は何処にあったのか。渦中の、そして最高経営責任者だった著者が初めての著書となった本書に書き下ろしている。全ての経営者や幹部に必読の一冊と言える。

まず、、、

(この項 何回か続く)