2011年2月3日木曜日
「新・ぶら下がり社員症候群」吉田実 書評65
東洋経済新報社、新刊。著者は人材育成(株)シェイク社長。多数の社員育成に関わり、アラサー世代の社員たちの疲弊感に注目して見事に分析している。
時代の様相を切り出した言葉としての「新・ぶら下がり社員」の提出は、近年で言えば「草食系男子」以来の切れ味である。そして「新・ぶら下がり社員たち」が無気力で無欲求でエネルギーに欠けてしまっている様も、「草食系男子」の出現と時代をいつにしている、あるいは必然的な延長としての社会現象であることがよくわかり、説得力に富む。
「新・ぶら下がり社員」はしかし男子だけでなく女子をも巻き込んでいること、企業の中に発生していると退出もしようとしないで、ネガティブな影響力により増殖していく様など、恐ろしい進行状況まで観察している。
経営者や管理職は今年必読の一書といえる。
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