2010年7月21日水曜日
「マーケティング脳VSマネジメント脳」(アル&ローラ・ライズ)書評(41)
翔泳社、2009年刊。親子著者は著名マーケティングコンサルタント。
経営者を左脳(論理的)思考者、マーケターを右脳(感覚的)思考者と都合よくかつ根拠なく分類し、ポイントを先鋭化して論を立てている。
そして、その立場から当然経営者の判断に異を唱えているわけだ。しかし、このアプローチって、別にマーケティングの幹部からだけでなく、どこの分野の幹部からでも出て来るだろう論議ではないか。すなわち、開発部門や製造部門、財務担当の幹部でも
「当社のCEOは自分の分野について理解してくれない」
ということだ。
実際は北米では経営者の多くがマーケティング出身者だろう。かくいう私もそうだった。著者たちが主張するようにそう便利に分類して非難できるはずがない。
それから、著者たちが「マーケティング」として主張しているのは、実はその一分野である「ブランド・マネジメント」に関する記述が大半。
25も章立てして、マネジメント側の無理解を非難して(あるいは泣き言を言って)いて、ブランドマネージメントにいろいろな側面やら要素があるのは分かるが、
「で、結局どうなの?」
ということだ。結末の言葉が印象的だ。
「マーケティングの戦士よ、ひるまず進むべし」
再度、マネジメント側(評者)から
「で、結局どうなの?」
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