2017年11月30日木曜日

飯島三智の「3人セット売り」戦略の意図は? ビジネス評論家が「新しい地図」ブランド化を分析(2)

3つのケーキがパッケージから離れてしまうことになり、全体のブランドは終了してしまいました。元のケーキ屋さんに残った2つのケーキは個別商品として、立派に販売されていますし、引き続き愛されています。一方、離れてしまったのが3つのケーキです。離れたときから、あるいはそれ以前から、この3つのケーキは一緒に店頭に並べてもらおう、と決めていました。個別商品3つを1つのセットとして流通する、消費者にセットとして認定してもらうには、やはり新しいブランドが必要となります。そこで「新しい地図」があたかも新商品名のように機能し始めたのです。
 新商品を大々的に売り出そうとした最初のビッグ・セールが『72時間ホンネテレビ』でした。同番組では、大物タレントが入れ替わり立ち代り登場したり、元SMAPメンバーの森且行が21年ぶりに共演して、「森くん」がTwitterのトレンドワードで世界1位になったなど、いくつものプロモーション的コーナーが組まれ、話題を呼びました。また、番組の告知にSNSを積極的に使うなど、今日的なマーケティング手法も積極的に取り入れています。
 飯島さんのこれらの仕掛けは「成功を収めた」と言えるでしょう。さすが、ジャニーズ時代に「敏腕プロデューサー」「SMAP育ての親」と言われただけのことがあります。忘れられてしまう前に、旬なうちに、「SMAPロス」が世を覆っているうちに……というタイミングで、「3つのケーキ」を求め続けていた消費者に見事に応えたのです。3つのケーキは個別に売られたとしても、求められるだけの“味”がありますが、ファンは何しろ「SMAPロス」。3人をアソート(組み合わせ)したことで、復活インパクトは個別の3倍を大きく超えた効果となったわけです。

(この項 続く)

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