2016年11月17日木曜日

また最高益の日本電産、課長千人採用の異例宣言…ソフトバンクと真逆の「堅実」拡大経営(5)

このほかにもキャッシュフローの改善も示して、「生産性が上がっているので、機械などの生産設備への投資は相対的に減っている」と述べ、隙のない堅実経営を進めていることが窺える。

M&Aだけではない、「取り込む経営」


 永守社長は会見で「景色が変わってきている」とも述べた。規模や業容が変わってきたことにより、「良い人材が入ってきている」というのだ。さらに、「技術者や、管理職、課長でいうならこれから1000人は採用したい」と、勝ち組ならではの意欲を示した。

 創業以来、日本企業には稀有な「果敢なM&A経営」で業容を急拡大してきた永守社長だが、20年の目標として掲げた2兆円(17年3月期は1兆2000億円の見込み)に対して、「さらなるM&Aを計算しなくてもオーガニックな成長で達成できる可能性が出てきた」とした。オーガニックな成長とは、従来事業による成長のことだ。

 成長に加えて、前述したような磐石のオペレーション改善を果たしている。まことに14年のMVP経営者にふさわしい快進撃が続くことだろう。

(この項 続く)

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