2015年5月8日金曜日

ソニーの命運 事業ポートフォリオセオリー戦略次第(1)

ソニーは4月22日、2015年度連結業績見通しを上方修正した。2月の予想から売上高を8兆円から8兆2100億円に、営業利益を200億円から680億円に、税引き前利益を50億円の赤字から390億円の黒字へ修正。当期純損失も1700億円から1260億円に圧縮するという。

この発表を受け、同社株価は大きく反応しなかったが、それは事前に織り込み済みだったためだ。3月末時点の株価(3190円)と比較し、4月22日(3675円)には15%上がっている。

 しかし、この上振れ予想によりソニーが大幅な回復基調に入れたかというと、それは早計だ。今回の修正の主因は、金融、音楽、イメージング・プロダクツ、ゲーム&ネットワークサービス分野などで売上高が想定を上回る見込みとなったためである。主力事業とされるエレクトロニクス(エレキ)事業が大きく伸張したということではない。

テレビ事業が辛うじて久しぶりに通年黒字を達成できる見込みだが、この事業部門は次の売却候補の筆頭ではないかと筆者も指摘してきた。薄日が差した業績修正だが、輝きを取り戻したというには遠い。

(この項 続く)

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