2013年10月6日日曜日

『イノベーションのDNA』クレイトン・クリステンセン他 書評182(4)

クリステンセン教授
私がもう一つ感心したのは本書に示された方法論である。つまり、研究の方法論のことだ。

前項で指摘した5つの機序は、定性的で概念的なものだ。例えば一人の研究対象者だけを徹底的に分析すると、帰納的にそんな項目を求めることが出来る。しかし、それは一つからの例示的な結論と成り、経営的なイノベーションが起こる包括的な説明としては、汎用的に広く私たちを納得させることはできないだろう。

また複数多数のイノベーター的とされる経営者達をサンプルとしてアドホック的にインタビュー調査としても、導き出された結論はすぐには首肯できるものとはならない。良い例が『ビジョナリー・カンパニー』(ジェームス・C・コリンズ他、日経BP出版センター)だ。同書では大成功している「ビジョナリー・カンパニー」十数社を研究対象として、その中のマネジャー達を多数インタビューして、「成功の共通因子」を明らかにした、としている。
(同書については拙ブログで「書評155」として昨年下記のように取り上げている。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2012/10/blog-post_18.html

しかし、、、

(この項 続く