2019年1月13日日曜日

密かに増加の「ブランディング出版」、単なる企業広告より絶大な効果?その仕組みとは?(3)

これらの出版社から本を上梓する場合は、もちろん印税が支払われる。会社の規模などによるが、私の場合、本の定価の8%から10%が多かった。業界的には10%が上限で、それは大手出版社だった。印税が支払われるのは、まず初版の印刷部数に対してであり、定価1500円の本を5000部出せば、初版印税が75万円となる。

この金額からわかるように、「著書による優雅な印税生活」などは通常ありえないことだ。ごくごく一部の売れっ子商業作家くらいだろう。人気作家の林真理子でさえ、アマゾンの中古本販売やブックオフの存在についてしばしばエッセイのなかで愚痴っているほどだ。

 出版社によっては、初版発行後3カ月後の支払いとか、初版発行時と数カ月後に半金ずつなど、バリエーションがある。初版の印税が6%で二刷から10%などという段階的な設定も珍しくない。初刷の部数は、近年どんどん少なくなっている。初版1万部などということは、ほとんどない。3000部あるいは1500部くらいが通常となってきている。

 このように、出版に際して著者が印税をもらえる通常の出版形態を「商業出版」という。

自費出版とは自腹で本を出すこと


(この項 続く)

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