2017年10月22日日曜日

ZOZOTOWNが百貨店業界を破壊し始めた…「ゾゾ化」ためらい1.6兆円も売上高消失(5)

ZOZOTOWNが成長を加速したのは、05年に国内最大手のセレクトショップであるユナイテッドアローズが本格出店したことだといわれる。つまり、ZOZOTOWNはサイトを開設した04年から07年まで、業容的には本当に小さな存在だった。サイトの総売上が100億円にやっと届いた(07年)、百貨店の大型店舗ひとつにも及ばない存在だったのである。

さらに特筆しておきたいのは、ZOZOTOWNでの販売手数料は30%ほどといわれるので、企業としてのスタートトゥデイの年商はその時代30億円に届かない状況と推定されることだ。この規模感は、まったくの中小企業だろう。

 ひるがえって、現在百貨店首位である三越伊勢丹ホールディングスの05年段階の年商は、伊勢丹だけで7600億円(06年3月期)、三越は8041億円(同年2月期)と、合わせて1兆円を優に超える流通ジャイアントだった。ちなみに百貨店全体での服飾総売上は05年に3兆150億円もあった(日本百貨店協会による)。

 百貨店の企業価値は何かというと、良質な顧客にアピールすることだろう。その極地として「お帳場」などと呼ばれる、特定の富裕顧客に対する担当店員の張り付け、そして外商制度などだ。ファッションの分野でいえば、中流の上のカテゴリーに入る女性客に店頭でいかに比較的高額な衣料を売り込むかが、伝統的なビジネス・モデルだった。

(この項 続く)

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