2016年12月30日金曜日

「2016経営者残念大賞」グランプリ 電通の企業文化を体現する石井直社長(6)

本社などへの立ち入り調査が行われた後に、石井社長が社員に向けて次のようなコメントを出している。

「その(マスコミ報道の)論調は、電通という企業を糾弾するものです。一連の報道に接し、心を痛めている社員の皆さんの心情を思うと、私自身、社の経営の一翼を担う責務を負っている身として、慙愧に堪えません。(略)それは、これまで当社が是認してきた『働き方』は、当局をはじめとするステークホルダーから受容され得ない、という厳然たる事実に他なりません」(引用元:「週刊現代」<講談社/2016年11月12日号>より)

 このコメントは、同社の「ムラ社会」を如実に表している。犠牲者となった高橋さんのことよりも、社内組織という運命共同体への配慮が優先されているからだ。さらにトップリーダーであるはずの石井社長は、自らを「社の経営の一翼を担う責務を負っている身」と表現しており、私には「俺だけの責任ではない」、つまり「俺の責任ではない」と言っているように聞こえる。しかし、社長の責任でなければ、いったい誰の責任なのであろうか。

 石井社長はまた、11月8日付朝日新聞デジタル記事によれば、11月7日の社員への説明会で、社員から事前に寄せられた質問に答えるかたちで、次のように述べたという。

「(労務管理の緊急改善策として打ち出した)午後10時以降の全館消灯は、準備期間もなく申し訳なかった。改善しながら、皆さんに納得してもらえる施策にしていきたい」

 「(業務量の削減について)どの業務を減らすかはここでは答えられない。業務に関する情報は相手先があること」


(この項 続く)

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