2016年5月7日土曜日

トヨタ、複雑怪奇な組織体制へ異次元改造始動…なぜ機能する?(5)

私はビジネスマン時代、米誌「フォーチュン」が毎年選ぶ優れた500社、いわゆるフォーチュン500社のうちの1社、社長時代にあっては別の同様企業や蘭フィリップスなどでマトリックス組織のなかで働いた。

 正直に言って、組織の内側で働く立場になると、マトリックス組織は面倒で不効率に思えた。というのは、レポート先が2つ存在するからだ。そしてとあるビジネス・イシューで見解が分かれると、両者の上層での合意、調整に時間を要することになる。場合によってはどこにも進めない事態に陥る。

 しかし、トヨタのように全世界で33万人もの従業員が働く巨大企業になると、マトリックス組織のように一見複雑な組織形態を採用しないとかえって不効率となり、組織運営そのものが円滑に進まないということは予想できる。

(この項 続く)

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