途中にこうある。
「これまでに学んだことは何だろう。(略)予測が重要で難しいと言うことだ」
178ページ、つまり本書のほぼ半分を使って言ったことがそれだ。
「予測が重要で難しい」?
素晴らしく新しいセオリーで、革新的な経営論だと感心、、
本書のこれ以降、つまり後半はその難しい予測を少しでも高めるべくいろいろな情報や思考を駆使しなければならない、としている。古今東西の歴史や社会学、最近のテクノロジーや心理学まで「人が知っていそうもない」つまりトリビア的な知見を披歴しながら「予測可能性を高めよう」と呼びかけている。しかし、具体的に「こうすれば予測可能性が高まる」という整理された形(セオリー)で提示しているわけではない。
430ページを費やしている本書を要約すると、こうだ。
「予測をすることは大切だけど難しい、だからみんな頑張れ」
スティーブンスン先生と接していない読者は、励まされているというより馬鹿にされた気がしないか。
しかし、この先生は実際に接する生徒を本当に魅了しているらしく、それは次の文献でも知ることができる。
(この項 書評206に続く)