ところが、ハワード・スティーブンスンの文献を見つけるのに一苦労した。翻訳文献が少ないので、英語のオリジナル文献も見てみたが、単著のブック(学術書)が少ない。
HBSでケースを200も書いたといっても、あれは言ってみれば簡単なモノ、しかも自分の見方を表さないものだから、学者の業績とは言わないだろう。その他の論文や記事レベルの文献も、圧倒的に共著が多い。もしかしたら共著者のお弟子さんの方が、と思ってしまう。
HBSで25年以上教授を務めていて、アントレプレナーシップ(企業家論)のグルとしての扱いを受けている。日本で言えば、私の恩師だった清成忠男先生(元法政大学総長)のような位置にあるヒトだろう。
スティーブンスンの業績を追ってみて私が得た印象は、
「このヒトは学者ではなく、教育者なのだな」
ということだ。
そのスティーブンスンが著した数少ない厚さのある著作が『スチーブンソン教授に経営を学ぶ』(日経BP社)なのだけど、、、
(この項 書評205として続く)