2011年3月27日日曜日

「君主論」マキャウェリ 書評69





ご存じの古典名著。私が今回読んだテキストは中公文庫。自分の専攻が、国文学からマーケティング、あるいは英語、華僑問題と移ってきた過程で、あまり社会学系や哲学系のスタンダードな典籍を読みこなしていない。

今回本書を紐解くきっかけとなったのは、経営者ブートキャンプ第2期の参加者からの推薦図書にあったことから。期の初めに「他の参加経営者に是非読んで欲しい3冊を挙げよ」という課題を与えて、私はそれらを片っ端から読破してきて、この図書表シリーズに取り上げている。

ビジネス書や経営書でないモノは正直敷居が高いというか、食わず嫌いで後回しにしてきた。

「君主論」の中の「君主」を「社長」と読み替えると、格好の企業ガバナンス論になる、と解説する別の書物があるくらいなので、私の視点もそんなところにあった、しかし、マキャウェリの「君主」を「経営者」に引きつけて読める実際の例はあまり現代にはない。というのは、マキャウェリが論じている多くの君主が、後天的に着位した例が多いからである。現代の経営者で言えば、外資の社長とか、ファンドからの派遣経営者のように、「突然舞い降りてきた、予期されていなかった支配者」に対しての社員からのリアクションという形で参考を得られるだろう。

会社の中でガバナンス問題を抱えている経営者にとっては身につまされるように参考になるところがある。現役時代の私にはずいぶん有益な書だったろう。もっと早く遭遇していたかった。

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