2011年5月24日火曜日

「経営学入門」十川廣國 書評78



中央経済社、2006年刊。同著者による「経営学イノベーション」シリーズの第1巻。
第2巻の「経営戦略論」(こちらは、各章を専門研究者が分担執筆:本日のブログ・タイトルのクリックで拙書評にリンクが)を紹介した折に購読していた。

著者は商学博士ではあるが経営学の著書を幾つも。この本自体は学部学生向けのテキストのような位置づけ。拙書評で紹介することにしたのは、「第5章企業の目的と経営戦略」に、納得できる指摘があったから。

「ミンツバーグらの研究によると、計画的戦略(意図的戦略:山田注)が一つの極として位置づけられ、創発的戦略がもう一方の極として位置づけられることになる」(119ページ)

「戦略策定は計画、創発という2本の足で歩くと考えられなければならないものである」(120ページ)

「(両者は)それぞれ独立に存在するものではなく、それぞれを両極として連続的な直線上に位置しているものであり」(120ページ)

欧米の学説の受け売り、あるいは解説に終わらず新しい視点を提出しているし、何より経営現場からの実感からも納得感がある説明と評価できる。

第5章だけのために1冊買う価値がある。

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