10年ごろからM&A手法を繰り出し始めた潮田氏は、サンウェーブ工業、新日軽をたて続けに買収し、11年4月1日に傘下の事業会社のトステム、INAX、サンウェーブ工業、新日軽、東洋エクステリアの5社を統合した事業会社LIXILグループを発足させた。
このようにいくつもの会社をグループ形成の持ち駒のようにしてきた潮田氏にとって、自らが招聘したプロ経営者もやはり経営上の持ち駒のように考えているのではないか。
さて、潮田氏が会長兼CEOとして復帰したので、同社の取締役たちは戦々恐々としているのではないか。実際、10月31日の記者会見では、潮田氏と退任する瀬戸氏と並んで、社長兼COOに就任した山梨氏が出席していたのだが、同氏が自らコメントを述べることは少なかった。隣にいる潮田氏に遠慮したものと受け止められる。
実質オーナーが直接経営に乗り出すとなると、これ以上の求心力は望めないだろう。しかし、藤森氏を実質解任した15年末には、潮田氏はシンガポールに居住していると報道されていたのだが、今回CEOに着任した後はどうするのだろうか。フルタイムで経営に当たるのだろうか。
いずれにせよ、LIXILグループは新しく潮田体制で動き出す。潮田氏は「再びM&A手法も繰り出したい」と発表会見で語っている。同社のダイナミックな成長に期待したい。
(この項 終わり)
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