ところがBCG報告書に疑問をいただいた研究者がいた。リチャード・パスカル(『ジャパニーズ・マネジメント』(講談社、1983年刊)の共著者)である。
パスカルは日本を訪れ、実際に北米市場開発をになったホンダのマネジャー達にインタビューするという実証的な調査を行い、その結果をThe Real Story behind Honda's Success (California Management Review, Spring 1984)で発表した。
パスカルが報告したホンダの担当マネジャーによると、
「最初は50ccのスーパーカブを導入することは考えていませんでした。われわれは、自分たち用としてロスのオフィス周りでスーパーカブに乗っていました。それがかなりの注目を集め、シアーズからも販売代理の引き合いがありました。大型バイクが全然ダメだったので、選択の余地が無く、50ccを導入することにしたのです」
つまり、何のことはない、ただの「怪我の功名」だったわけです。さて私たちは、ホンダの北米参入ーそして偉大な成功-からどのような戦略的教訓を得ることが出来るのでしょうか。それは、
「コンサルタントがしたり顔で分析することは疑ってかかれ」
(この項 終わり)
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