2010年12月31日金曜日

お世話になりました



2010年も終わろうとしている。今年1年、皆さまには大変お世話になり、感謝に堪えません。心からお礼申し上げます。どうもありがとうございました。

皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。

大晦日、富士見パノラマスキー場は快晴



朝の天気予報はまだ「全国的に大荒れ」だった。

昨晩問い合わせた現地のスポット天気予報は「晴れ」だと。
半信半疑のまま、予定していた三人組で出かけたら「快晴、微風、ガラガラ」という、近年で経験していない絶好のコンディションとなった。

現地で10時から3時まで滑りまくり、近くの温泉に入って7時には帰宅。紅白歌合戦どころか夕食に間に合う。

私が滑っている写真が手元にないので、それをイラストに起こしておく。良い初滑りだった。

2010年12月30日木曜日

スキー行中止、大晦日は家で



31日に日帰りでのスキー行を計画していたが、中止。
天気予報が「31日、元旦と大荒れ」とのこと。富士見パノラマを計画していたが、あそこでゴンドラリフトが止まったらスキー場として魅力はゼロということになる。

初滑りで、スキー板を磨いたりワックスをかけたりして置いたのに残念。同行予定だったのはテニス仲間と学生時代のスキー仲間。3人ともアラ還暦。このごろのスキー場で、スキーを滑っているのは本当にシルバー・エージが多くなった。若い世代は圧倒的にボードが多い。

我々スキーのベテランにはボードの良さが分からない。ゲレンデで停まると立っていられない、そして歩けない。とても不便そうに見えるが。

1月は出講で忙しいので、初滑りは春までお預けか。アーッ!

2010年12月29日水曜日

経営者ブートキャンプ、第3期は5月から



経営者ブートキャンプの第3期の日程が発表された。

次期は2011年5月から6講。本日のブログタイトルのクリックで詳細へリンクを張った。
志のある経営者は予定されたい。

2010年12月28日火曜日

次の本の前書きを書く




次作は、東洋経済新報社から出版予定で原稿が進んでいる。昨日、本日と「前書き」を起稿した。

今回の本は、「経営者が10年後も活躍するためには」という切り口。経営者ブートキャンプでの講師、私を含めて5名が各1章を担当。より優れた経営者になってもらうにはどうしたらよいかを、各講師が熱く説く。

発刊は、、。是非3月にしたいとは思っている。

2010年12月26日日曜日

水谷栄二先生と九段クラブ



昨夕、九段クラブの忘年会に出た。メンバーのうち8名が出席。

九段クラブは1982年に結成された月例の勉強会だ。国際関係学院で英語によりビジネス科目を履修してきた社会人たちで、水谷栄二先生のクラスを受講した人たちが立ち上げた。28年間も続いている。

水谷栄二先生は、「日本の隠れた知性」と言うべき存在だった。エゴンゼンダー日本法人を初代社長として立ち上げ、マッキンゼーではあの大前健一氏に乞われて人材開発部長として活躍し、その後はワイアット(現ワトソンワイアット社)をこれも初代社長として立ち上げた。最後はアクセンチュアで要職に就かれていた。
『ハーバードで教える人材戦略』(生産性出版)など、HR系のセオリー本、それも決め打ちとなるような重要な書物を幾つも訳出された。『経営コンサルテイング』(生産性出版)もお仕事の一つだ。

自他共に許す「Consultant for Consultants」で、世界コンサルタント会議では2回日本代表となり、2回とも本会議で基調講演をなさったそうだ。

水谷先生が数年前にお亡くなりになった時、九段クラブのエネルギーに陰りを感じたが、その後持ち直し、現在は隔月で続いている。水谷先生は、教え子たちのキャリア開発にいつも心配をして下さった。私も節目、節目で何度も相談させてもらった。私たちは、先生のそのような衣鉢を継いでまだ歩き続けなければならない。

2010年12月24日金曜日

管理職研修 参加者の声

2週間ほど前、某企業で2日間に渡って管理職研修を実施した。

参加者の受講アンケートが上がってきて、概ね好評、高評価だったことに一安心。
感想などを幾つかの分野にまとめると、

▲ 山田の説明が分かりやすい
▲ 研修内容で具体的な学びがあり、成果があった
▲ グループワークやカードの使用、休憩など工夫されていて、集中して学べた
▲ 山田の経営実践体験から説得感、納得感が強かった
▲ ただ講義を聴くだけでなく、参加型だったのがよかった

私が管理職対象の研修やセミナーでいつも強調するのは、
「コミュニケーション型リーダーが最強である」
ということ。
山田経営セオリーの基本として掲げる「企業繁栄の黄金律」の三つの要素も、「コミュニケーション」という第4要素に支えられていると図解している。

管理職の皆さんがコミュニケーションを武器にいかにリーダーシップを再構築して、チームのビジネス成果を上げていくか、それが管理職に課せられた責務と言えるだろう。

参加した皆さんのこれからの活躍に期待したい。

2010年12月23日木曜日

「仕事ができる人の問題解決力?」車塚元章 書評61




税務経理協会、新刊。著者がコンサルタントとして企業指導をしてきた経験をベースに、ビジネスパーソンなら誰でも直面する「問題解決」の方法を伝授している。

経営者やマネージャーの職責とは「問題解決業」といわれることもある。自社や、自部門の問題課題を発見してあるいは事前に掘り下げてそれらに対して適宜な手を打っていく。これを実践するには、本書を読めば手順がしっかり書いてある。そして、それらの方法論は各種のセオリーにかなっているので納得感、説得感も十分だ。

使いやすい本なので、特に初任管理職には心強い味方となるだろう。

2010年12月22日水曜日

メリークリスマス!今年もお世話になりました



明日の祝日を挟んで、明後日にはもうクリスマス・イブがやってくる。

私は先週限りで今年の出講は終了した。正月には今年初めてのスキーに出かける。それから帰ってくると、もう1月の出講が待っている。1月から4月にかけて企業内研修が結構あり、冬とはいえ繁忙感が強い。

声をかけていただけるのはありがたいことで、皆さんのお役にたてればいいと願っています。来年もどうぞよろしく。よいお年をお迎えください。(本ブログの今年はまだ終わりではありません)

2010年12月21日火曜日

経営者ブートキャンプ(3)池本克之氏特別講義




12月18日(土)のもう一つのセッションは、池本克之氏の特別講義。今回の事前図書として参加者に配布し読んで来てもらったのは
「ゼロからはじめる ネット通販の教科書」(池本克之、ユナイテッド・ブックス)。

特別講義はしかし、ネットビジネスに限らず企業をいかに活性化し、前向きに明るく運営するかという、汎用性に富む興味深い展開となった。
「社員と友達になる」
などの経営手法で、ベンチャービジネスだったドクターシーラボ社とネットプライス社をあっというまに100億円企業に育て上げ上場させた手腕は尋常のものではない。

「池本さんご自身の、根本的で源泉的な経営者としての資質は何か」
という参加者の質問に
「困った人を助けたい、というのが僕の原点です」
と衒いが無く言えるところがすごい。

「自分たちが本当にやりたいことは何かしっかり考えましょう」
という、池本さんの問いかけがズッシリささった。

2010年12月20日月曜日

経営者ブートキャンプ(2)「極め打ち戦略」を講じる




18日(土)第3講での私の講義としては、「極め打ち戦略」を話した。
1996年から5年間CEO社長を務めたミードウェストベーコ(ジャパン)社での私の奮闘物語。

私の着任前6年間に渡って、経常赤字(それも大幅な)だった企業が、新社長が着任したその最初の半期で経常黒転し、その2年後からは対売上経常黒字率8%以上をずっと続けたという、優良会社への変身ストーリーを解説。

C顧客を戦略的に半減させ、最大顧客の満足度を最高度に高めることによる、徹底した経営資源の投入の実践体験を披露し、解説。普段の公開セミナーではフィリップス社のケースで解説することがほとんどなので、ミード社の事例をここまでまとめて話すのは、私にとっても経営者ブートキャンプくらいか。

皆さん、結構ショックを受けた様子。

2010年12月19日日曜日

経営者ブートキャンプ(1)、「企業戦略論」(バーニー)を読む






12月18日(土)は終日ブートキャンプの第3講。

最初の1.5時間は課題図書の報告。前講から2回を費やして、ジェイ B.バーニー著「企業戦略論」の上を読んだ。1,2,4,5各章を参加者一人に割り振り、20分ずつ発表、20分ずつ討論という形で進行してきた。

バーニー本は、前期を通じても一番学術書的な性格が強く、クラスの皆の感想も「手ごわい」。
しかし、「一人では読めない」「一人では理解が進まなかったろう」とも。ゼミ形式の読み込みがこのような本格アカデミーの教本には有効となる。

「知識はいくら積み上げても邪魔にはならない」
と話し、
「知識が体系だてられたものがセオリー。セオリーを仕入れておくことは武器を手にすることだ」
ともクラスに話す。

夕刻の懇親会でもバーニーを読んだことへの充実感を皆が口にしてくれた。

(この項続く)

2010年12月17日金曜日

「経営戦略の思考法」沼上幹 書評60



日本経済新聞社より2009年刊。三部構成。
第I部「戦略思考の変遷」
第II部「戦略思考の解剖」
第III部戦略思考の実践」

第I部は研究史の概説。経営戦略論を大きく5つに分類し、時系列的にそれぞれの主張を解説している。
第II部と第III部が著者のオリジナルな論文部分。

アマゾンで読者レビューが本日現在15アップされている。多くのレビュアーが、第I部のまとめ方が秀逸であると称賛している。その一方で、著者オリジナルの第II部、第III部は指示を得られていない。私も目を通してみて同感。説得感が満点ではないケースが幾つも並べられていた。

経営者ブートキャンプでちょうどジェイB.バーニー「企業戦略論」を読んでいる。沼上による本書での戦略論の推移と解説の方が達意で良く分かりやすい。また、5大戦略論の最後にゲーム理論をカバーしているのは、バーニーには間に合わなかった点である。

ということで、第I部だけが新書として発刊されていれば評価を高めて、よかったかもしれない。

2010年12月13日月曜日

Iphone4を購入、文明開化が我が手に



カメラが壊れたので新しいのを買おうと思った。その金額で「カメラが付いている」Iphone4に機種変更出来ると思い、一昨日に購入。

取扱説明書の薄いことに一驚。その代わりにサポートセンターが1年間は無限、無料で対応してくれるとのこと。ところが早速以前の機種で作成していた電話帳の移行にてこずる。実施のために3種類のパスワードを使い分けなければならない。また、アルファベットと数字を切り替えながらの携帯での入力は恐ろしく面倒。タッチパネルの力加減で、すぐ隣のキーを押してしまう。

今日は、サポートセンターと固定電話で話しながら、ようやく電話帳の移行を終了。何と1時間半もかかり、疲れ果てた。しかし、明治維新の文明開化にも多大な苦痛があったように、これも仕方がないかと思う。

Iphone4の美しい画面を見ていると、IT時代に間に合い、そのエッセンスのような道具を手中に出来た喜びを感じる。長生きをして良かった。

2010年12月12日日曜日

経営戦略の公開セミナーはみずほ総研で3月に



3月11日(金)に「結果を出す経営戦略の立案と実践」と題して1日公開セミナーをみずほ総研で行う。早くも定番的な開催である。

副題として「社長として数々の業績を上げてきた講師が明かす生きた経営戦略」と付いている。

こちらも、このブログタイトルをクリックでリンクを張ってある。

SMBCコンサルで新春「部長力を磨け」セミナー



2011年の公開セミナーは、最大手のSMBCコンサルティングで口開けすることになった。

「部長力を磨け」をテーマに、午前中は「戦略の立て方と活用法」、午後は「コミュニケーション力を磨け」の2講。

1月22日(土)。このブログのタイトルをクリックで、リンクを張った。

「抜擢して育てろ」原稿を書く

出講ラッシュ月の11月が過ぎ、その余波が残っていた先週も終わり、今年も現場(出講)は経営者ブートキャンプを含み数回を残すばかりとなった。この週末は手を付けられないでいた原稿を書いている。

某金融系が会員企業の経営者にオンラインで毎日発信している経営情報メール・マガジンがある。何と5万社にも配信しているそうだ。ここに頼まれ月1回、経営論を連載している。残念ながら、連載中はそれを他の媒体で開示できない約束になっているので、このブログに転載することができない。

前回は、「企業はヒトなり、だけではない」という私の「組織の3要素論」を書いたら大きな反響をいただいた。

今日は、「抜擢して育てろ」というテーマで原稿を書いている。またどんな感想をいただけるか楽しみだ

2010年12月10日金曜日

建設会社での管理職研修終わる

昨日、今日と二日間に渡り都内の建設会社で管理職研修を実施。

二日目である本日、最後は役員に対しての発表会をやってほしいとの事前依頼だった。14名の参加者を、5・5・4の三グループに分け、グループごとに(簡単な個人発表+グループ発表)を25分ほど準備させた。各グループではその後社長以下役員から質問、意見の交換がそれぞれ20分ほどあり、充実した2時間セッションとなった。

「戦略カードによる課題抽出と解決策創案」のプロセスを、昨日から講義の合間に1時間ずつ実施して発表コンテンツを作成してもらった。今日の午後1番では1時間を使ってリハーサル(発表練習)。
発表の仕方(プレゼンテーション)について、役員からも発表者からも好評だったのは、短時間のトレーニングだったので意外な副効用だった。

成果物がしっかり出て、各自の2年目標やアクションプランなどが残った。終了時のコメント出しからも、参加者の充実感が感じられ、嬉しい二日間となった。

2010年12月8日水曜日

「社長が戦わなければ会社は変わらない」金川千尋 書評59




ご存知優良会社の信越化学工業の、大名経営者による著書。2002年刊行。

特定会社の経営書というのは、その大部分が時間による褒貶に堪えられない。あの、一世を風靡した「エクセレント・カンパニー」(ダイヤモンド社)に取り上げられた「風雪に堪えて好業績を挙げ続ける」とされた20数社でさえ、例外ではない。同書の発刊20年ほどして私が「人を見抜く技術」(講談社)で検証してみたら、「全て」が好業績の視野の外、あるいは存続さえしていないという悲惨なありさまだった。「発刊時までは好業績を上げ続けてきた」ということだけが明らかになった。

本書に関して言えば、刊行後8年ほどたち、金川社長はまだ現役の経営者で、その業績は好調を続け他の追随を許さないと言うところが本当にすごい。稀有の実例である。

金川経営哲学を読むと、驚くほど私のそれと共通していた。経営者として個人的に共感するところがとても大きい。進行している経営者ブートキャンプ第2期で急遽課題図書に取り込むこととした。

2010年12月2日木曜日

部門戦略策定を広告会社で指導(2)

昨日の午後と、今日の1日を使い、部門長8名を個別指導。各自と80分対峙。

5回プログルムの第2講となり、個人セッションとしては初となる。
いつものことだが同じ会社で部門長8名をコンサルすると、部門を超えた会社全体の構造的な問題が浮き出される。最後の発表大会で、それが経営陣に伝わるか。

2010年12月1日水曜日

部門戦略策定を広告会社で指導(1)

中堅の広告会社で、8名の部門長を対象にして部門中期戦略の策定を指導している。全5回で策定してもらう予定で進行している。本日はその2回目。

午前中は全員を集合研修で「リーダーシップ」を講じる。本日の午後から一人当たり80分で個別セッション指導(1対1)。前回からの宿題として「目標設定」と「目標合意」をしてもらっているので、今日は「戦略課題」の設定。3年間の時間枠で何を解決すべきか、「戦略の入り口」を設定してもらったわけだ。

2010年11月30日火曜日

「ネット通販の教科書」池本克之 書評58






ユナイテッド・ブックス発行。2010年刊。
経営者ブートキャンプの特別講師、池本克之氏の書。池本氏は「上場請負経営者」の異名のもと、ドクター・シーラボ社とネットプライス社の二つのネット通販会社を経営、上場させた。

ネット通販の裏も表も知り尽くした池本氏が、ネット通販を始めようかという個人向けに優しく書き起こしている。だからとても理解しやすい。

読みやすいが、しかし奥も深い。私がカタログ通販の世界で、世の中で一番先行していたシアーズ・ローバック社の日本法人でマーケティング・マネージャーをしていたのが1987年だからほぼ30年前。
そのころ、最先端のように言われていたRFMなどが丁寧に解説されている。ちなみにRFMとはRecency, Frequency, Monetaryの略で通販客の優良度のランク付けに使われる。

実践体験と理論の両方からきちっと書かれている良書である。

2010年11月28日日曜日

「飛び出せ!科学くん」ナスカの地上絵を落書き(2)



プロデューサーのヒエダ氏【男性】から電話をもらう。

ヒ「番組内で’許可を得ている’などのテロップや説明は無かった。しょこたん猫の描出をしたのは私有地であり、過去にも地上絵の描出法の検証のため使われていた。後ではもちろん消してきた。しかし、そのことも番組内では触れていなかったので言葉足らずだった」

私「本物の地上絵の回りが空から見たらショコタン猫やらスヌーピーだらけになったらどうなるのか。今回は消してきたが、そんな試みが例えば3千年後に残ったら、本来の文化財と何が何だか分からなくなってしまう」

私「今回のような試みは、京都奈良の文化財に落書きを残してくるような風潮を助長するものだ。あるいは、朝日新聞が沖縄の天然記念物サンゴに傷を付けて社長が辞任した様な案件につながる」


ヒ「今後このような番組のときは、テロップなど配慮したい」

私「それもそうだが、ナスカの地上絵という世界遺産文化財とショコタン猫の漫画を並べると言うのは程度を疑う」

ヒ「格調高い番組を目指していきたい」

2010年11月27日土曜日

「飛び出せ!科学くん」(TBS)ナスカの地上絵を落書き(1)



11月27日(土)17時ごろに、TVのチャネルをまわしていたらTBSの「飛び出せ!科学くん」という番組を見た。

田中某という男性タレントが南米ペルーを訪れ、例のナスカの地上絵をセスナから望見している。それはよいのだが、その後現地のスタッフを雇って、自分で別の地上絵を描くという試みをしていた。描き出したのはショコたん(中川祥子という女性タレント)が書いた猫のイラスト。それをまたセスナから望見して「ナスカの地上絵を描いた!」と喜んでいる。

私は大した愚挙だと思い、TBSに抗議の電話をかけた。番組スタッフという男性のモリザネ氏と話す。

私「ナスカの地上絵は世界遺産クラスの重要文化財である。それと同じ地域に漫画を描くとは、重大な問題ではないか。重要な文化財に落書きを残してくると同じような行為だと思う」(世界遺産だった)
モリザネ氏「撮影に当たっては許可を得ている。そのむね、テロップを出したはずだ」
私「私は見ていない。それは確かか」
モ「テロップで無ければナレーションで話したはずだ」
私「それはますます聞いていない」

小さなテロップなら見落としたかもしれないが、ナレーションがあったなら聞き逃さなかった。

私「あんなことをして、これから次々とナスカに大規模な落書きをする人が出てきたら、本来の地上絵の文化価値はどうなると思うの?」
モ「消して来ました」
それも番組では放送されていない。それに消したからってこの成された愚挙は取り消せないし、あまつさえそれをオンエアして悦に入っているわけだ。

「モリザネさん、あなた確かなことを言っているの」
とつっこむと
モ「担当者から後で電話させます。」
と。

間もなく電話をもらったらまたモリザネ氏。
モ「猫の絵を描いたのは私有地でした」
つまり前述の「許可をえていた」というのは政府や行政機関などのちゃんとしたところでは無かったわけだ。やはり、適当なことを言っていたわけだ。


明日、プロデューサーから電話をもらえるそうなのでまた書く。

「逆境を乗り越える者」ソネンフェルド&ウォード書評57



ランダムハウス講談社、2007年。

この本が日本で訳出出版された意図が分からない。内容は、不本意な解雇をされたCEOが充電期間を経て、別の会社のCEOとして再起する話。実例も豊富だし、まあそれなりに読み物としてはというところだ。

しかしたとえば最後の章が「逆境を乗り越えて勝利をつかむ」として7つの教訓がまとめあげられている。これらの教訓が必要な経営者が日本にどれだけいるというのだろうか。具体的にだれか個人名を私は上げることができない。つまりとある名のある会社を追われて、後日全く違うこれも名のある会社の経営者として着任して成功したというパターンの人である。

個人名を思いつかないくらいだから、この本を必要とする潜在読者は日本には二ケタもいないのではないか。そんな特別なケースの経営者にはたとえば私のような者が個人的に助言してあげればすむことだ。

「読み物としては」と前述したのは、「人の不幸は蜜の味」みたいなケースが幾つも書かれているところだ。玩具のマテル社のCEOを2000年に解任されたジル・バラッドには総額5千万ドル近いパッケージが支払わされたそうだ。50億円という巨額である。それについて本書は
「株価の70%下落を招き、アメリカ史上でも最悪の買収をかじ取りした責任者としては信じられないほどのすばらしい餞別」
とのコメントを紹介している。

これらの興味深いケースの羅列は、しかし考えてみればアメリカCEOゴシップ誌という位置づけに収まるのではないか。つまり、登場紹介されているCEOを芸能人やセレブに、「解任事件」を「離婚スキャンダル」にそれぞれ置き換えると本書の構造が見える。もっともらしい解説や教訓の引き出しもゴシップ誌にはつきものというわけだ。

2010年11月25日木曜日

「こうなったら無敵の営業マンになってやる!」ブライアン・トレーシー 書評(56)



ダイヤモンド社、2003年刊。
20分で読了。売れる営業になるためのTipsが21に要約されて示されている。各章の各項目見出しだけ読むと、それぞれの本文は読む必要が無い(ほど分かりやすい)。著者によると、「セールスに関する本は4千冊以上出ている」そうだ(もちろん世界では気の遠くなるほど出ている)。この本の良さは、短いこと、くどくどと書いていないことなど。主張に違和感はないのでたぶん正しいことを説いているのだろう。

9章で「幸運や成功の85%は人間関係で決まる」と喝破している同じ著者が、第6章で「できる人ほど勉強熱心、自己投資をせよ」なんて言っているのは、著作をするために項目出しに悩んだ結果か。人間関係ですべてが決まるのならあくせく勉強などする必要はないだろう。迷える著者よ、経営者ブートキャンプで学びなさい。

「戦略論」の大欠陥



とある「戦略論」を専門とする経営学の教授の話をじっくり聞く機会を得た。その先生が最先端の戦略論を講じてくれる公開セミナーがあったので参加したのである。現在のアカデミーでの理論の到達レベルと最先端を知りたいと思った。

その教授の著書の抜粋が配られ、そこに次のような文章を見た。

「・・以上によって環境分析と優位性分析が終了すると、次のサブ・プロセスは具体的戦略の形成である。(1文略) この具体内容は企業ごとに異なり、一般論としては論じにくい・・」

つまり、肝心の戦略立論の方法論は提出せず、「それぞれの企業がそれぞれにやれ、考えろ」と言っているわけだ。

私は従前から
「現今の戦略論というものは、種々の"分析"(つまり前手順)と、作られた戦略の分類(つまり後手順)だけだ。肝心の立案論、あるいはその方法論と言うのは誰も示していない(少なくとも私は不学にして見ることが無い」
と指摘してきた。

この、真ん中の部分となる立案方法こそが企業側が真に求めている部分だろう。そこにアカデミーは答えていない。まだブラックボックスのままにしておいて、その前後だけを詳細に議論を続けている。

私は曲がりなりにも「戦略カードとシナリオ・ライティング」という方法論をかざしてたとえば経営者ブートキャンプで指導・実践している。

2010年11月21日日曜日

「八甲田山死の咆哮」新田次郎 書評(55)



新潮文庫。ご存知、山岳遭難小説の傑作。「巻擱く能わず」という言葉があるが、第2章「咆哮」の描写の迫真と恐ろしさは、何度か本を閉じて、心を落ち着かせてから覚悟を決めてまた取りかかる、といった程である。

下士官の進言による死地への行進の選択のことを、「次代幹部候補の選抜」にからめて何度もセミナーで取り上げてきた。改めて読み返して、「リーダーシップ」の活きたケースだと思った。シャクルトン船長のエンデバー号南極遭難の書と併せて、第3期の経営者ブートキャンプの課題図書として読んでもらおうと思った。

2010年11月20日土曜日

経営者ブートキャンプ同窓会



今夕、早めの忘年会を兼ねて経営者ブートキャンプ第1期生が集まった。渡米している一人を除いて全員が来てくれた。第2期のクラスの開講日に合わせて企画してくれたので、第2期の在校性も合流。にぎやかな経営者の異業種会となった。

その日だけ集まる異業種交流会と異なり、皆しっかり一緒に勉強してきているので結束がとても強い。仲の良いところが実によろしい。

戦略はダイナミックに変遷させろ






本日は経営者ブートキャンプ第2期の第2講。
課題図書の討議として、『企業戦略論』(ジェイ B. バーニー、ダイヤモンド社)を読む。第1章と第3章をそれぞれの報告者を前回指名しておいた。他の参加者には、「感想文」の事前提出を要求。全員が準備してきてくれて、レベルの高い討議をしてくれた。

企業戦略が実際にはどう形成されていくかについては、創発戦略を時間枠の推移と与件の変化に伴って、段階段階で手直しや追加をしていく「創発・創発戦略」が実状であると述べる。実際の経営者の皆さんの実感にも合致した。

意図的戦略は、経営資源が豊富な会社のコーポレート部門ぐらいしか実施しないだろうし、意図的戦略を準備しているうちに状況与件は絶え間なく変化してしまっているので、有効度が低い。

2010年11月17日水曜日

「静かなリーダーシップ」ジョセフ・L・バダラッコ 書評(54)



翔泳社、2002年。経営者ブートキャンプ第1期で課題図書として『最前線のリーダーシップ』(ハイフェッツ&リンスキー、ファーストプレス)を取り上げた。本書はそれに連なる傾向を有していて、興味深い。

その「傾向」とは、「リーダーシップって単純なものではない」ということだ。経営者ブートキャンプに参加してくれているのは実際の経営者であり、私もそうだった。リーダーシップの現場から遠いビジネスパーソンほどきっと単純でヒロイックな意思決定や動作などを夢想しがちなものと思う。本書は、リーダーシップの現場が実は混沌としてリスキーなものであり、それを上手く渡り歩いていかなければゴールの実現が難しいということを示している。

ただし、その状況が実際に混沌として複雑であるので、その実態を示すべき分かりやすいケースの提示が本書では前半くらいで種切れの感が否めない。後半のケースでは「概念のモデル出し」が前半ほどクリアに行われていない。

箱田忠昭カリスマ講師のセミナーで充電



出講ラッシュだった先週を乗り越え、今週は幾つか勉強のスケジュールを入れている。

今日は兄事する箱田忠昭さんのセミナーで勉強させてもらう。何カ月おきかに箱田先生のセミナーを後ろの席から陪席聴講させてもらっているが、私が自分でいろいろなところで話をさせてもらう機会を積み重ねるにつれ、箱田さんの偉大さがますます理解出来てきた。

箱田さんのセミナーには、研鑚があり工夫があり、芸がある。この道で「日本一」と言われていることがよく分かる。こんな方とお付き合いがもうすぐ30年になろうとしている。先週私がとある講演で話した「成功人脈」というのはこのような貴重な絆のことを言うのだろう。

沖縄での講演が小冊子に



沖縄政経懇話会21(沖縄タイムス主宰)の9月定例会で行った講演の小冊子ができあがった。
「政懇21DIGEST」2010.10No.105号に、20ページに渡り掲載。写真はもとより、講演で使ったスライドが31点も掲載されていて、「講演要旨」というよりほぼ講演を再現してくれている。

ご興味のある方は資料請求されたい。

2010年11月16日火曜日

来年は本を2冊出す



次の出版は決まっていて準備に入っている。経営者ブートキャンプ第1期の講師陣5名が実際に展開した講義を基にしたオムニバス形式の本で、東洋経済出版社からの刊行となる。

本日は、その後の著作について出版社の編集の方と企画打ち合わせ。とあるテーマを提案され、「それでいこうか」などと大筋で合意。企画の推移については順次ブログにアップしていこう。

来年11月の出講依頼



先日、先の出講依頼のために「三年手帳」を購入した。
そうしたら、早速来年の11月末の出講依頼が来た。何と1年先以上である。予定してもらって、ありがたいことだ。公開セミナーなので、主催者が募集を開始したら私のサイトにもアップする。でもそれも来年の秋の話しだ。

今週は身体と心のリハビリ



先週は出講が続き、息つく暇がない1週間となった。
今週はぺースダウン。まず、テニスで酷くしてしまった腰痛を治療。ペイン・クリニックという痛み専門麻酔科に行き、神経ブロック注射を右腰にしてもらう。問診10分、施術5分、そのまま1時間休息。自転車に乗って帰った。5年ほど前は1日入院でしていたという施術(そのころは「手術」と言っていたそうな)。

2年前に左腰にやってもらったところ、これが劇的に効き今に至るまで再発が無い。今回の右腰も、術後の軽快は著しい。またテニスコートに戻れるか。

2010年11月15日月曜日

ロジカルシンキングを1日セミナーで教えた



先週は怒涛の1週間だった。4日間でこなしたテーマは次の通り
「部門戦略の立案指導」5講のうち第1回(企業指導)
「ロジカル・シンキング」1日セミナー(企業内研修)
「ヒトを見抜くコミュニケーションと成功人脈創り」限定集まりでの講演
「マーケティング」1日セミナー(企業内幹部研修)
「経営指導」(経営者と管理本部長に戦略指導)

いやはや、どっと疲れた。

2010年11月13日土曜日

今日はマーケティングを教える



昨日に続く今日は、とある企業でマーケティングを講じる。
昨年来指導している幹部社員グループにマーケティングを講じる。日本の企業では、経営学部でも出てこない限り「マーケティング」を体系だてて理解しているビジネスパーソンを見つけることは難しい(実は外資でもそうだ)。『マーケティングの基本』(安原智樹、日本実業出版社)をテキストに、各自の自例に対する理論適用を発表させながら5時間講義。

その後、経営者及び管理本部長を2時間経営指導コンサル。

早起きをしたこともあり、疲れた。長い1週間が終わった。

2010年11月12日金曜日

東京ベイコート倶楽部で講演


いやはや、東京でのハイソなクラブといえば、30年前ならアメリカン・クラブ、20年前ならホテル・オークラの中のクラブ、10年前までは東京シティ・クラブだっただろうか。

現在ではお台場に「目立たぬように」威を放っているのが東京ベイコート倶楽部である。メンバー以外には徹底的に排他的にすることでプレステージ感を演出している。本日のブログタイトルからリンクが張ってある。

ここでのイベントはだから、「外部公表を控えてくれ」との依頼があった。企業研修や個別コンサルの場合、企業名を明かさないのは職業倫理みたいなものだが、今回は半公開(希望者のみ)であり半エクスクルーシブ(関係者のみ対象)という異例のもの。

という訳で、事前に私のブログやサイトにもアップしなかった。テーマだけ記しておくと、「コミュニケーションと成功人脈というもの。

http://baycourtclub.jp/

2010年11月9日火曜日

広告代理店で部門戦略策定研修開始

中堅の広告会社で部門長8名を対象とした実践研修を開始した。

5講に渡り、実際の部門戦略を「戦略カードとシナリオライティング」の方法で作ってもらう。
今日はその第1講として、下記を実施。

1. 成長戦略の実践事例、その有効性についてー山田の経営事例から
2.戦略策定の方法の解説
3.目標設定と目標合意
4.課題図書の引き渡しと感想文書式の解説

皆さん積極的に参加してくれて活気がある。

2010年11月5日金曜日

来週は出講ラッシュ、死のロード



セミナーや企業研修の講師を務めている者にとっては、1年のうちで秋が一番多忙な時期である。
来週は私も4回、4日間別のところで喋繰りまくることになっている。ノドが強くないので、ケアしなければならないし、ピン・マイクを使用することにより声を張り上げないように注意しなければならない。

合間を縫って、新しく「説明に来てくれ」という企業への訪問もこなしている。箱田忠昭さんのインサイトラーニング(株)にも籍を置かせていただいてもいるが、それ以外はフリーランスで活動しているわけだ。
フリーの講演・研修・セミナー講師としてはありがたいことに十分多忙となってきている。

各社や、さらなる能力開発を目指している経営者や幹部の方に少しでもお役にたてれば嬉しいことだ。

2010年11月4日木曜日

「孫子」岩波文庫 書評(53)




主だった経営誌が月刊誌だったころ、定番企画として繰り返されたのが「戦国武将」と「孫子」など内外古典の戦略・戦術だった。経営は競争なので、その最たるものである戦争に学ぼうというわけだ。

確かに「経営戦略」という言葉使いに見られるように、戦争用語は経営状況の説明にたくさん借用されている。私自身も「戦略論」を語っているわけだ。

しかし、「孫子」のような「本当の戦争」のやり方論と「企業」の戦い方では決定的に違うことがある。
その第1は、相手をせん滅できないこと。
その第2は、戦う相手が戦争ほど鮮明で特定できていないことがあり、多くの場合は「競合者」という名前の多数者であること。

「彼を知りて己を知れば百戦して危うからず」
有名なこの警句だけを考えてみよう。この警句は論理的に成り立つ。しかし、それでは自分のビジネスで「彼」というのは誰か。「彼」は何人いるのか。たぶんたくさんいるのだろう。たくさんいる「彼」のことをどれだけ知れば「危うからず」となるのか。「彼」が来年、あるいは三年後にどのような手を打ってくるか、知ることはできるのか。

それらの違いを心して読むと、「戦争管理論」としての章や部分は、現代の経営に通じるところが無くもない。

2010年11月3日水曜日

日本の秋を走る



11月1日(月)から2泊3日で山中湖「ホテルマウント富士」に滞在。3日間とも秋晴れ。当ホテルは山中湖畔の丘の上に屹立し、富士山に対峙する。3日間とも見事な赤富士を堪能。こんなに雲がかかっていない富士山を見るのも久しぶりだ。

昨日は、富士五湖をドライブ。静岡県側の白糸の滝を見るのは半世紀ぶりとなったのか。弓手、射手に流れる山々の紅葉グラデュエーションがあざやか。滞在中に寒さが増し、3日目には山中湖畔の紅葉の赤さが増していたことに気づく。

美しい日本に生まれたことを感謝した休日である。円高は進んだが、第3四半期の上場会社の利益はとても改善している。私たちは良い国にすんでいる。特に日本人と言う種族、社会はとてもすばらしい。

2010年10月30日土曜日

「影響力の武器」ロバート・B・チャルディーニ 書評(52)



誠信書房から1991年初版。アマゾンの読者レビューに投稿しようと思ったら、第1版に70名以上、第2版にも30名以上のレビューが掲載されていたので止めることとした。

名著。名著である理由は幾つもある。
― おもしろい。知的興味を大いにそそるだけでなく、「驚く」という読書の楽しみにあふれている。
― 学術的で本格的だ。内容については多くの調査や文献を基としていて、用意周到で論駁できないくらい水際立っている。
― トピックの並べ方、選択の組み合わせが優れている。しかもその焦点の合わせ方が多数の読者の潜在的な興味疑問に沿っている。
― 文章が平易で、しかも興味を持つような叙述方法に成功している。


影響力には大きく以下の6つのルールがある。
1「返報性」
2「一貫性」
3「社会的証明」
4「好意」
5「権威」
6「希少性」

これらが働きかける仕組み・機序をケースや先行文献などで明らかにしている。

2010年10月23日土曜日

「あなたの会社は部長がつぶす!」(35)初めて星四つレビュー


アマゾン読者レビューに8つのものがアップされているが、先週初めて「星4つが」付いた。全文

今まで6社の社長を務め、全て再建した経営コンサルタントの社長指南書である。著者によれば、今までのビジネス書は多くが大企業を想定して描かれているので、日本の企業のほとんどを占める中小企業の事例とは、ずれるところが多いという。いくらジャック・ウエルチが「選択と集中」で、不採算事業は切り捨てろ、と言ったところで主たる事業が一つしかない会社でそんなことをしたら「潰れてしまいますがな」と言われてしまう。

 業績不振な会社を、ヘッドハンティングされたばかりの著者がどのように立て直したのか?そのノウハウは意外にシンプルであり、著者はその業界の素人ではあっても、「経営のプロ」であったのだ。

 新任社長の著者がまず行うのは、社員の力を引き出すためにコミュニケーションを最大化する。別に飲みに行くわけではない。経営幹部、中間管理職、一般社員からじっくり話を聞き、会社の問題点を洗い出す。この時点で明らかになった「すぐに処理できない、もっともな指摘」こそ重要な経営情報だ。そして、経営幹部は一掃するかゼロベースで査定する。今までうまくいかなかったとすれば幹部の責任であり、今までのやり方にこだわりやすいのもこの経営幹部だからだ。

 そして、会社経営者の、「うちはいい人材がいない…」という嘆きを否定する。自分が再建した会社は、売上3倍にしたが、社員はほぼ変わっていない。それは問題点を露わにして経営戦略を変更したからだ、という。そして再建途上で経営幹部の馘を斬った後は、残った社員の給与を上げてモチベーションを高めたエピソードを披歴する。

 タイトルは経営者が部長(および管理職)をどう処遇するかについて書いてあるようにみえるが、実は組織運営論であり、管理職を目指す一般社員にも役立つ。ただ、著者は外資系企業の経験が多く、大胆なリストラも可能だったと思うが、組合のあるような会社で同じ事は難しいかもしれない。

2010年10月20日水曜日

「コア・コンピタンス経営」G.ハメル&C.K.プラハード 書評(51)


日経ビジネス文庫。原著は1994年、訳書は1995年。原書も翻訳版もよく売れて日経ビジネス文庫に収載されて、今ではスタンダードとなっている。

個々の章での指摘や主張を聞くと、いかにももっともで、かつ壮大で否定しがたい。だからこれほどまでに読まれたのだろう。

しかし、冷静に考えてみよう。「未来に一番乗りする報酬は図り知れない」:ブルーオーシャンに連なる主張だ。「コアな強みにフォーカスして事業展開すべきだ」:事業資源に恵まれる企業に有効なPPM的な技法だ。

「10年後に業界はどう変わっているか、認識を持っているだろうか」と問いかけるが、そんな先のことを考えるのは有効なことだろうか。著者自身が「デジタル情報産業は動乱が永遠に続くだろう」と言っている。

92年に「戦略設計図を描くプロジェクトに2千人以上が参加し、延べ3万人時間を費やした」と著者が絶賛したEDS.”それをする前には”(評者)「2000年には悪くても250億ドルの売り上げを達成するのは確実」と言われていたのに、実際には2007年にようやく221億ドルを売り上げ、その翌年にはHPに買収されてしまった。”それをしたから”ではないのか。

本書の実情は、多くのまじめな経営者に「自社はそんなことはしていない、とてもできない」といういらざるコンプレックスを与えるだろう。さもなければ、企業規模や経営資源と言う「身の丈」に合わない壮大な仕掛けの策定に取り組ませて、会社の骨組みを揺るがせるような結果を引き起こす。

同族企業の後継者が北米へMBA留学に出され、このような考え方に「かぶれて」長年続いた優良企業を潰しているのではないか。

衣替え



今週は仕事の谷間みたいになった。11月に出講する書くセミナーやら企業研修の仕込みをしている。
家では妻が衣替えをしてくれている。暑い夏だった。
9月が過ぎ、また一つ年を取った。

2010年10月18日月曜日

『ヒトを見抜く技術』CD(フォレスト出版)(5)知っていますか?



7月に音源CDを発売した。月次の売れ行きが発売元から報告があり、思いがけず世の中で聴いてもらっている。
ー はじめに
ー 「人を見抜く技術」が成功への近道
ー いったい誰を見抜くんだ
ー 見抜くための7つの力
― 3分間で相手を見抜こう
― 何を見抜いてこの世を渡る?

収録時間 50分31秒

今日のブログタイトルのクリックでリンクが張られている。いや、すごいプロモーション・サイトなんだ。一見の価値がある。

2010年10月17日日曜日

手帳の買い替え時期が来た

あれほど暑かった夏も去り、気持ちの良い秋の週末を過ごした。気がついてみれば、寒さが立ちあがることから「霜月」と呼ばれた11月が目の前だ。あっという間に年が変わってしまう。

今のころに私が目配りし始めたのが、新しい手帳探しである。講演やら研修指導では3か月先あたりを依頼されることが多く、来年春ころの日程の打診が始まりだした。一番先で、来年9月の依頼を2件受けている。今年7月に都合を聞かれたときは、てっきり今年の9月のことだと思った。

さて、現在のビジネス・モデルがこのような調子なので、次の手帳は複数年連用のものにしようかと思っている。「三年手帳」というと、知られているのは集文館のものらしい。他に能率手帳で3年のものを店頭で見た。

実際にお使いになっている読者の方がおられれば、是非アドバイスのコメントを書き込んでくれればありがたい。

2010年10月16日土曜日

経営者ブートキャンプ第2期キックオフ



本日、第2期が開講した。

「経営者が集まり、経営者が教える、経営者の梁山泊」

向上心、向学心に燃える経営者は世の中に数多い。その受け皿となるべき経営者ブートキャンプだ。
志のある創業社長、外資社長、経営幹部がまた集まってくれた。第1期からの継続受講者も3名いるし、海外MBAホルダーの外資族も数名いる。経営者ブートキャンプでの「学びの快楽」は確実に伝播している。