当面の課題は来店客数
私が発した2つ目の質問は、来店客数と客単価の推移だった。15年3月の株主総会で経営権を握ってから、久美子社長の完全指揮の下で客は増えたのか、金を多く使ってくれるようになったのか。
具体的な数字は挙げなかったが、久美子社長は「客数は15年は増加するも、16年は減少した」と答えた。しかし、「入りやすくした」新宿店や銀座店などの都心大型店では客数は増え、郊外店では落ち込んだ、とも説明した。
客単価については、「買い上げ単価(同一客が一回の購入に使った金額)はあまり変わっていない」との説明がなされた。
さて、この説明を16年12月期の年商20%超減と比べて算数すると、「買ってくれた客が20%減った」ということになる。ここに、久美子社長の苦悩とチャレンジがあるのだろう。
総会前段での「事業説明」セッションで、久美子社長が「高額セグメントから低額セグメントに降りてこようとしたのではない、それが誤解だ」とスライドを使って強調した。そうではなく、「価格帯でいえば全方位を網羅しようとしている」とも説明してくれた。
(この項 続く)