2012年9月30日日曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(4)

ミューチュアル・メソッド

欧米の経営大学院で教える手法は大きく二つに分類される。ハーバードに代表される「ケース・メソッド」、シカゴに代表される「セオリー・メソッド」である。多くのビジネス・スクールではこの二つの方法を併存させる。サンダーバードもそうだった。
経営者ブートキャンプでは、Mutual Method「ミューチュアル・メソッド」で学ぶ。「ケース・メソッド」は実在、仮名、あるいは創作のいずれにせよ、学生とは関係のない企業事例で学ぶわけだが、ブートキャンプでは、全参加者のリアルな経営事例を開示し合い、点検しあいながら学ぶのだ。
 
(第5期の話、続く)

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(3)

経営戦略はこう立ててもらう

5月12日の第1講が始まる前に、参加者に知らせて『雇われ社長のプロの仕事術』(拙著、ぱる出版)を事前課題図書として読んできて貰った。ブートキャンプでの課題図書の例として、特定の章だけを指定して読んできて貰う。

同書では第6章「4つの経営戦略を実践に移す」を事前読了課題とした。この章では、「戦略カードとシナリオ・ライティング」技法により経営戦略を立案する具体的な方法を書いた。
5月12日は、この章の読了を済ませてきた参加者達に、宿題を出した。それは、1)3年目標の設定と2)重要経営課題の認識である。

この二つをやって来て貰い、次回第2講では小グループにより、残したカードの妥当性、理由、他の選択肢(選ばなかったカードの点検)などを相互に行って貰う。

(第5期の話、続く)

2012年9月29日土曜日

『MBA社長は仕事をシンプルに考える』(拙著)に幾つもの書評が

1. アマゾンで4つめのレビュー。これまで、すべて星5つ。
「読みやすい本、というのが第一印象。
著者の主張が押しつけがましくなく、言葉がスッと頭に入ってくる。
内容としても、仕事に対する心構えから、実際に現場で役立ちそうなことまで、幅広くまとめられており、有益と感じた。」
続きは下記に。
http://www.amazon.co.jp/dp/4838724667

2. 「社長経験者が語る 「楽に仕事をするためのコツ」です。最初に、社長はあなたにそんなに期待していませんよ、と言われます。」
(ネット書評「本が好き」:本のソムリエ 9/17) 続きは、
http://www.honzuki.jp/book/status/no83196/index.html

3.「同じ仕事をしていても、つまらないと感じる人と、面白いと感じる人がいます。この差は、どこから来るのでしょうか?仕事に対する考え方の違いと言ってしまえばそれまでですが、それでは、一体、どのように考え方が違うのか?」
(ネット書評「活かす読書」9/27) 続きは、
http://ikadoku.blog76.fc2.com/blog-entry-1600.html

2012年9月28日金曜日

マイケル・ポーター競争優位「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(8)


神様、マイケル・ポーター

80年代に主要な著書を著したポーターは、経営戦略セオリー的にはポジショニング・スクールに分類されている。彼のセオリーの中で重要な三つのコンセプトがある。

1.「競争優位」という概念の提出

2.5 Forces (5つの脅威)

3.コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略、そして「どちらかへの」集中戦略


(この項 続く)

9月13日に行った公開セミナー。10月11日(木)16:00と19:00に再開催。

2012年9月27日木曜日

ヘンリー・ミンツバーグ『戦略サファリ』(「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(7)

cursor:hand;float:left;戦略セオリー、横綱と行司

経営戦略セミナーで一般にも広く知られている、つまり「戦略の横綱」的な学者と言えば、マイケル・ポーターだろう。ポーターの競争戦略論については、改めて取り上げる。

しかし、ポーターに匹敵する戦略学者がいる。それはヘンリー・ミンツバーグで『戦略サファリ』(東洋経済新報社)を著している。この本を読めば、20世紀中の経営戦略学説がすべて概観できると言ってよい、大著である。

ポーターとミンツバーグは対立する学説を掲げていて、さしずめ東西両横綱といった風情だが、さらに両横綱を捌く立て行司的な学者がいて、それがジェィ・バーニーだ。バーニーの『企業戦略論』(ダイヤモンド社)はなんと3巻本で、おそろしく手強い。バーニー自身は「経営資源セオリー」を掲げている。

(この項 続く)

9月13日に行った公開セミナー。10月11日(木)16:00と19:00に再開催。

2012年9月26日水曜日

『孫正義 リーダーのための意思決定の極意 』ソフトバンクアカデミア特別講義  書評151

光文社新書、2011年刊。

孫正義氏は、今年の調査によれば情報発進力が日本で断トツにNo.1の経営者だ。しかし、彼自身の著書というのは見当たらない。きっとこの疾風怒濤の経営者は、机に向かってペンを取るというような作業はまだるっこしいことに感じているのだろう。現在の発信はツイッターでの、パブリックとのやりとりが圧倒的に多い。

この人自身の活字著作としての露出は、対談がずいぶん昔のモノとしてあるくらいだ。本書は、孫氏が後継経営者を養成するとして自社内で展開しているソフトバンクアカデミアでの公開特別講義を記録したモノである。孫氏の肉声がうかがわれて興味深い。また講義の記録なので、話し言葉だし、参加者とのやりとりなどの臨場感にも溢れ、読みやすい(短いし)。

21世紀を代表する日本人経営者となりつつある孫氏が、自分の経営哲学や経営スタイルをいかに自覚し、確信的にその技法を推し進めているかがよく分かる書物だ。オーナー経営者としてこれから最も影響力を持つであろう孫氏の経営を理解するに良個な本である。

2012年9月25日火曜日

PPM BCGマトリックス「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(6)



9月13日に行った公開セミナー。10月11日(木)16:00と19:00に再開催。
プロダクトよりもプロジェクトだろう、PPM
ボストン・コンサルティング・グループが提唱したのでBCGマトリックスとも呼ばれる、ご存じPPM。プロダクト(商品)・ポートフォリオ・マネージメントとは言うけれど、実はプロジェクト・マネージメントではないのか。つまり、事業の入れ替えモデルだということ。

指導先企業で、その会社の主要事業を「金のなる木」と見立て、幾つも展開しだしている新規事業を「問題児」と見立てて話をしたら、分かりやすい議論となった。

BCGはこのセオリーを「限定要素が多すぎる」ということで、引っ込めてしまったそう(というか、他のモデルを売り出した)だが、まだまだ使える場面がある。何より分かりやすい。とはいえ、複数ビジネスを持っているか新しい事業を検討する際にしか役に立たない。単一事業会社では単なる「教養科目」でしかない戦略モデルである。
(この項 続く)

2012年9月24日月曜日

『企業戦略論』(H.I.アンゾフ)「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(5)

9月13日に行った公開セミナー。10月11日(木)16:00と19:00に再開催。
経営戦略は戦後始まった
    欧米で「経営戦略」の概念が広まってきたのは、第2次大戦後である。企業規模が大きくなり、何か統合された考え方がなければ、全体の行動を統括していけないのではないか、という状況・懸念からの出発だ。

    戦略計画をつくって大組織に号令をかけようという考え方の代表が『企業戦略論』(H.I.アンゾフ、1965)で、採用したのがGEである。GEでは各SBUにStrategy Officerが置かれ、戦略計画を策定した。しかし、指揮や統括などの分野で各事業のCEOと重複・優越などの問題がおこり、ジャック・ウエルチにより廃止された。
(この項 続く)

2012年9月21日金曜日

ITmediaエグゼクティブに寄稿 「MBA社長は仕事をシンプルに考える」


ビジネスパーソンに人気のサイトに寄稿した。

タイトルは『MBA社長は仕事をシンプルに考える――できない部下を「できる人」に』

「チーム全体でのパフォーマンスの最大化が、マネジャーの仕事だ。必ずしも全員にホームラン・バッターの役割を期待する必要はなく、未熟なメンバーはどのように平均点プレーヤーにしていくかだ。」続きは下記URLへ。
http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1209/20/news007.html

東証1部企業で幹部セミナー 「伸びる経営はこう実現する」

みずほ総研の依頼で、社員数2,500人ほどの東証1部上場企業でトップセミナー。
当社の社長以下、役員、執行役員、子会社社長など50名ほど出席。

1時間半、「繁栄の黄金律」に沿ってその4要素を解説し、30分の質疑応答。組織とリーダーシップなどについて討議を行った。

2012年9月20日木曜日

エース交易の牧田栄次社長、ジョン・フー会長と解任応酬

先物取引の大手、エース交易社について、「榊原秀雄相談役が6億円の退職金を得た」という報道を紹介し、私は「それが当然、日本の経営者はもっともっと報酬を得ても良い」という趣旨のブログを書いた(下記URL)。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2011/09/blog-post_19.html

創業者の榊原氏は日本の経営者の退職金としては異例な金額を手にしたはずだが、今月に入り同社が大変な騒動となっている。今年4月にTiger Trust社に資本金を払い込む契約(下記4リリースによれば16億円)を結んだ。それに対し、

1.「創業者の榊原秀雄相談役の個人的な負債返済に代金を充てることが目的だという疑いが生じた RT エース交易、第三者委設置へ

2.牧田栄次社長が第三者委員会を設けると発表し、資本払込先企業グループに関係があるジョン・フー会長以下4名の辞任を求めた(2012年9月6日同社長名によりリリース)。

3.すると、9月9日付けの別のリリースがジョン・フー会長名で出され、牧田社長を解任したという。両氏とも同社の代表取締役だという。

4.牧田社長は早速同日付で、その解任は無効だというリリースで対抗し、その後も出社、執務しているという。

本日のブログは、既に報道された情報及び、同社から発表されたリリースの内容を書き出したモノで、筆者の意見や評言を加えたモノではない。

意図的戦略と創発戦略「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(4)

9月13日に行った公開セミナー。10月11日(木)16:00と19:00に再開催。
2つの経営戦略
  • 意図的経営戦略 vs. 創発的経営戦略
意図的戦略が発動する場合は極めて稀、どんな場合か。

創発的経営戦略、バージョン1.2とバージョン2.0,それぞれ何時作り替える?

(この項 続く)

2012年9月19日水曜日

戦略セオリーの陥穽「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(3)

9月13日に行った公開セミナー。10月11日(木)16:00と19:00に再開催。
流行った戦略セオリーの陥穽とは
  • 先端、異端の欧米企業事例
持続しない成功事例
分析と後追い解説
戦略立案法を示さない

(この項 続く)

2012年9月18日火曜日

ヤマダ電機満足度最下位訴訟

いやはや、昨日(2012年9月17日)のブログで、ヤマダ電機のことを取り上げたのは、「全体戦略で勝てばよい」ということの例示だった。ところが本件で、2010年12月14日、読売新聞から下記の記事配信があったので引用しておく。評言しないでおくのは、訴訟沙汰となることを恐れてのことである。

『週刊経済誌「日経ビジネス」の消費者満足度ランキング最下位にされ名誉を傷付けられたとして、業界最大手のヤマダ電機(群馬県高崎市)が発行元の日経BP(東京都港区)に5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、東京地裁であった。

石井浩裁判長は「ランキングの根拠となった調査には、恣意(しい)的な結果が生じるような事情はなかった」と述べ、ヤマダ側の請求を棄却した。問題となったのは、同誌2008年7月28日号に掲載された特集記事。アフターサービスの満足度に関するアンケート調査で、家電量販店部門はヤマダが16社中最下位だったなどと報じた。

ヤマダ電機は訴訟で、調査が事前にモニター登録していた会員を対象に行われたことについて、「読者は、国民全体からアンケートの回答者を無作為抽出したと誤解する可能性が高く、不適切だ」と訴えた。これに対し、判決は、同誌が会員から回答者を無作為抽出し、組織票を防ぐためにメールアドレスのチェックも行っていたことなどから、「合理的な調査結果になるような配慮がなされていた」として退けた。

ヤマダ電機の話「極めて不当な判決で、直ちに控訴します』

2012年9月17日月曜日

ヤマダ電機(山田昇会長)のアフターサービス 最悪

2012年度の「業界別アフターサービスランキング」が過日発表された(日経ビジネス2012.7.30号)。シャープの現下の状況と関連して、読み直してみた。

家電量販店部門では、「満足度指数」で1位がケーズデンキでその「再利用意向」も82.8%と高い。最下位はヤマダ電機で、「再利用意向」も69.1%と下から2番目である。ところが、「業界勝ち組」と言えば、圧倒的にヤマダ電機だ。この調査結果から「競合各社が勝ち抜くためには、アフターサービスに力を入れろ」という戦略は導かれない。

全社経営戦略は、経営の全ての分野における個別戦略の集合体だ。集合体ではあるが、「どれが有効で優先的なモノか」の判断も全社戦略と成る。「KPIはたくさんあるが、当社におけるC(クリティカル:決定的に重要な)KPIは一体何だ」ということを認識していなければならない。ちなみに、同調査での薄型TV,エアコン、洗濯乾燥機、はたまたDVD/HDDレコーダー全ての分野での1位はどこか、というと「あの」シャープだ。もちろん良い方の1位だった。

「大きなコトを考えろ」。私が常々言っていることである。

2012年9月16日日曜日

『経営の心得』 小山昇 書評150(2) (株)武蔵野


著者の小山昇氏が率いる(株)武蔵野は、多摩地区でダスキン事業を展開する、ダスキンの有力フランチャイジー(加盟店)だそうだ。同社は、中小企業部門で日本経営品質賞を2回授与されるなど、輝かしい経営実績を有しているらしい(同書の著者略歴による)。

また、同社のサイトによれば、ボイスメール事業部、インターネット事業部を擁するが、「ダスキン事業を基盤とし、中小企業の経営サポート事業を」展開しとあるので、後者2事業部が主力なのだろう。

「増収増益」と謳っているが、経営サポート事業というのは一般的にコスト率が恐ろしく低い。つまり利益貢献が多大なことだろう。こちらの部門が急激に伸張してきている。当社にとって、従来事業であるダスキン事業はこのご時世でどのように推移しているのだろうか。かなうことなら、経営サポートの神様の足元を見てみたいと思う。

(この項 終わり)

2012年9月15日土曜日

『経営の心得』 小山昇 書評150(1)


大和書房、2011年刊。(株)武蔵野の社長というより、経営コンサルタントとして知れ渡っている著者。

本書は、1ページに1項目、200項目という構成。各ページのタイトルが大きく、本文は数行ずつ。経営者の箴言集としては、松下幸之助のモノとか、ドラッカーのモノなどがあるが、存命中の方の箴言集とは珍しい。

各ページの字数がこんなに少ないから、内容が薄っぺらいかというとそんなこともない。小山氏が現役の年商数十億規模の経営者だからこそ、日々の体験から紡ぎ出せる見識、助言が並んでいる。

同じような規模の会社を幾つも経営してきた私からも違和感はなく、賛同するところが多い。特に、第4章「営業の心得」では、私はトップ・セールスは原則やらないことにしていたので、「手を染める」経営者小山氏の指摘にいろいろ教えて貰った。

こんな著者が一体どんな会社を経営しているのか、興味を持って、、、

(この項 続く)

2012年9月14日金曜日

フレームワークは語呂合わせ「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(2)

9月13日に行った公開セミナー。
フレームワークは「わかったつもり」になるだけ
PEST, SWOT, 4P, 5F, 7S、、、

語呂合わせ
作文
「分析からは何も生まれない」
(ヘンリー・ミンツバーグ)
3Cでいいじゃあないか

(この項 続く)

2012年9月13日木曜日

俗流経営戦略「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(1)

9月13日に行った公開セミナー。
俗流経営戦略論 vs. 欧米アカデミーの戦略論

前者には次のようなものが有る。
1.軍事史に学ぶ。
2.戦国武将に学ぶ。
3.ランチェスター戦略。

これらの3つは、日本ローカルなものであり、欧米アカデミーの文献に取り上げてこられることは殆ど無かった。日本でもアカデミーで取り上げられるのは、欧米の学説の流れなので、俗流経営戦略論が経営学者によって論文などで取り上げられることは稀である。にもかかわらず、例えばランチェスター戦略などは有効なモノである。

(この項 続く)

2012年9月12日水曜日

りそなマネジメント・スクール、自宅課題はゼロベースでの自社組織改革案つくり

りそな総研が主宰している、りそなマネジメント・スクールは経営者を本格的に教えるプログラムとして最も伝統があり、大規模なモノ。

先週は東京教室で教え、今日は大阪教室で終日「組織・運営戦略」を終日講義させて貰った。プログラムの典型として、自宅課題を出したわけだが、今回は各参加者に、ゼロベースで新しい組織案を考えて貰う、というのを与えた。

昼間の講義、演習で戦略カードを使い、各社の組織上の課題と解決作を策定して貰ったので、その延長で、自社の新組織を考えて貰う。「当面実施することは考えずに、」という条件を付けたのは、その方が大胆な案が出るからだ。

2012年9月11日火曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(2)

自己紹介が戦略立案セッションの始まり

そんな参加者9名に、休憩を挟みながら自己紹介セッションを行ってもらった。時間割としては、オリエンテーション30分ほどの後となる。自己紹介だけが続くのでは単調になるので、午後一番は私の「繁栄の黄金律と成長戦略」を1時間半入れる。

各自の自己紹介は、厳密に12分ずつ。それぞれの発表の前に、「代表質問者」二人を指名しておいて、代表質問が終わると、残りの参加者から質問して貰う。それらを含めて一人の紹介に20分ずつ使う。

このやり方は、これから始まる各自の3年経営戦略立案の第1歩だ。第5期の計6講を通じて、3回のグループ・セッションを戦略立案に当てている。小グループでお互いにアイデア・助言をしあうためには、互いのビジネスを知っておく必要がある、というわけだ。

2012年9月10日月曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(1)

「経営者が集まり、経営者が教える、経営者の梁山泊」経営者ブートキャンプも第5期がまもなく終了する。今期、実は「実録日記」として各講でのクラス内容を記していた。今月は、この実録日記を第5期第1講にさかのぼり、順次公開していくことにする。

第1講(5月) 梁山泊は多士済々
今回で5回目を迎える経営者ブートキャンプ、GW明けの気持ちいいスタートとなった。
社長が5人、外資3人、コンサル一人
5月12日(土)に第1講がキック・オフ。定員10名に対して1名増員して11名の申し込みを受けていた。寸前にお二人が、海外出張などで2回は欠講となるということで、来期への移行を希望。結局9名での船出となった。

5人の社長さんが参加。2名は従業員からの社長、3名が創業または2代目など、オーナー社長。従業員からの「雇われ社長」はオーナー会長との関係に配慮しているし、オーナー社長参加者は後継者について悩みがある。お互いに話して貰うと、鏡の裏表のような成り行きだ。

今期の継続参加者はお二人。お一人は一期おきに3回目となるUさん。第1期の時はアメリカ系外資のマーケティング・マネジャーだったが、その期のうちに勢いのあるアジア系の外資のマーケティング部門の責任者となった。第3期では着任した部門の戦略を立案し、今期では新しい商品分野の戦略を立案したい、という。
もうお一人は大手外資の部門責任者のIさん。今期で何と4期連続しての参加だ。創業社長などとの交流がたまらない刺激だと言う。

マック 原田泳幸社長 (4)

「経営プロフェッショナルの鑑」として原田社長を紹介した。日本マクドナルド社については、私は25年来のウォッチャーの一人である。

昔、次のような訳書を出したことがある。
『ビッグマック―マクドナルドに学ぶ100億ドルビジネスのノウハウ』(
http://www.amazon.co.jp/dp/4766506804

同書は、創業者であるレイ・クロックがどのようにカリフォルニアで単一店だったマックと遭遇し、上手く買収し、、、という創業時のストーリーが語られている。興味深いのは、著者が同社に対して批判的なジャーナリストで、同社が成長のために繰り出した「あの手この手」がさらけ出されていることだ。

私の批判的なモノの見方、成功譚の裏話(綺麗でない話)への視点など、この本のスタンスと大分似ている。物書きの初期段階でこんな本を訳させられたので結構影響されたのではと、今思うことだ。

(この項 終わり)

2012年9月9日日曜日

マック 原田泳幸社長が「経営プロフェッショナル」の鑑(かがみ)(3)

原田社長が着任する前年、2003年までマックの既存店売上げは7年連続でマイナスという、プロダクト・ライフ・サイクル的には衰退期に入ってしまったかのような状況だった。

ところが、優れた経営者の手腕というのは恐ろしいモノで、原田氏が着任してから業績は一転、8年連続の既存店売上げプラスが続いているという。

原田氏がマクドナルドで実践したこと、成功したことを本ブログでは一つ一つ触れない。代わりに、「経営プロフェッショナル」の鑑として私が同氏を評価する点を挙げる。

1.ITから外食産業という、全くの異業態で傑出した業績を上げられる。
2.低迷していた企業を短期の間に立て直せる。
3.業績改善について、確固とした方法論(戦略)を確立した。
4.その経営戦略というのは、それぞれの企業で独立的で、つまり応用的だ。
5.その経営戦略を理路整然と説明出来るほど、しっかり言語化した。

試行錯誤型のマネジメントとは全く異なる、「経営プロフェッショナル」の方法を見いだすことが出来る。

(この項 もう1回だけ)

2012年9月8日土曜日

『MBA社長は仕事をシンプルに考える』(拙著)が「ビジネス書読みあさり」で星4つ

「多読書評ブログの定番」と自ら謳っている「ビジネス書読みあさり」(書評ブログ)で、先日取り上げて貰った。

「仕事はむずかしく考えるとむずかしくなってしまいます。ですから、自分の仕事をもっとシンプルに考えるようにしましょう。そうすれば簡単になるのです。」
本書では、有限会社MBA経営・代表取締役の山田修さんが、自らの試行錯誤の結果編み出した「誰でも上手くいくシンプルな仕事術」を紹介します。
自分の持ち場の仕事を確実にこなし、会社に貸しをつくっていくこと。周囲の人間関係に縛られずに、自分の時間の絶対量を増やし、力を着実につけていくこと。・・・そんな一見当たり前のことながら、日々の忙しさやストレスに紛れてなかなか気づかない、そんな仕事の鉄則を改めて認識できる1冊です」

続きは、次のURLに。
http://kakihara.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/09/2012124_fea5.html

2012年9月7日金曜日

エース交易 先物商法に異論サイトが

ほぼ1年前、「エース交易の榊原秀雄相談役が6億円の退職金を得た」という報道を紹介し、私は「それが当然、日本の経営者はもっともっと報酬を得ても良い」という趣旨のブログを書いた(下記URL)。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2011/09/blog-post_19.html

ほぼ1年が経ち、同社のその後の成り行きをチェックしてみたら、無視できないようなサイトを見つけてしまった(下記URL)。「先物無知被害者会」が開設している「先物取引の予備知識と業界内部事情」というサイトである。このサイトでは、特にエース交易を主として取り上げ、具体的に警告している。
http://sakimono.4t.com/

前のブログで私はこうも書いた。
「それにしても、榊原氏の写影はネット上を探しても見当たらない。金満家は素顔も晒さないように努めているのかも知れない。自覚有る処世だとも思う」

本日、「先物取引の予備知識と業界内部事情」を読んでみると、榊原氏が顔をさらしたくない理由がよく分かった。

日本マクドナルド 原田泳幸社長が「経営プロフェッショナル」の鑑(かがみ)(2)

故 藤田田(でん)氏
米国を代表するグローバル企業の1つ、マクドナルドも日本進出時は、藤田商会との合弁での進出だった。故藤田田(でん)氏は、日本にマクドナルドを紹介したことで一躍、時の経営者と成った。第1号店は銀座三越の銀座通り側路面店という信じられないような立地でのスタートで大変な話題と成った。

強烈な個性を持った藤田氏は「ユダヤの商法」をテーマにした一連の経営書も著し、2001年に至るまでトップとして君臨し、まるでマックは藤田家の家業であるような印象を作り上げた。

1971年に出店を開始して、20年ほどの間に1,000店を実現した。ところが、1990年代の10年間でこれを4,000店に増やしたところで、「頭打ち」のフェーズになる。店舗当たりの売上高が減少に転じ、それは2003年まで7年間続いた。

2002年に入り藤田は辞任し、2004年に死去した。藤田商会は株式をマック本社に譲渡し、完全外資と成ったところで、2004年原田泳幸氏がスカウトされて着任したのである。

(この項 続く)

2012年9月5日水曜日

りそなマネジメント・スクールで登壇

りそな総研が主宰している、りそなマネジメント・スクールは経営者を本格的に教えるプログラムとして最も伝統があり、大規模なモノ。

今年で25期を数え、東京、大阪両会場で開催されている。月次で1年間にわたり展開し、最後はオプションだが海外研修まである。


私は昨年に引き続き、第6講として「組織・運営戦略」を終日講義させて貰った(ついでながら、来年も担当する)。2代目など、若手の次期社長達が多く来ていたが、中には既に社長として活躍されている方も。

皆さん、このプログラムを契機に是非優れた戦略経営者として成長して欲しい。
 

2012年9月3日月曜日

マクドナルド原田泳幸社長が「経営プロフェッショナル」の鑑(かがみ)(1)

8月31日のブログで、「経営プロフェッショナル宣言」を書いた(下記URL)。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2012/08/blog-post_31.html

「経営プロフェッショナル」のロールモデルと成る現役経営者は誰かと考えたら、マックの原田泳幸社長こそ、ドンピシャリの方だろう。

"From Mac to Mac"と囃された、アップル日本法人の社長から、畑違いの外食産業社長への転身だった。日本マクドナルド社の前任社長は、あの泣く子も黙る藤田田氏だったわけだ。

藤田氏は、マスコミへの露出が凄く多い「目立ちたがり屋」の経営者だったが、原田氏はその点抑制的である。藤田氏はまた創業社長だった(日本マクドナルド社は、米国マクドナルド本社と藤田商会の合弁として設立された。しかも後者の持ち分の方が大きかった)。原田氏は私と同じ、外資の現地法人での雇われ社長だ(藤田田氏死去に伴い、同社は100%外資と成り、そこにスカウトされた)。

(この項続く)

2012年9月2日日曜日

戦略セオリー、使えるのはどれだ!?

「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義
山田 修
9月13日(木) 16:00-18:00 19:00-21:00 (同内容、どちらか) 詳細と申し込み:
http://www.keieisha.jp/seminar120913.html

あまたある著名な経営戦略フレーム、セオリーは、どうして実践に移そうとすると使えないのか?
本当に使える、実践戦略フレーム、セオリーは、どれなのか?

◎“仕分け”される経営戦略フレーム・セオリー
PEST、SWOT、4P、7S、PPMプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(BCGマトリックス)、
ポーター競争戦略、コア・コンピタンス経営、ブルー・オーシャン戦略、ゲーム理論、イノベーションのジレンマ、
リソース・ベースト・ビュー、ランチェスター戦略、ストーリーとしての競争戦略、等

2012年9月1日土曜日

ライフネット生命 出口治明社長 経営者ブートキャンプで熱弁

ライフネット生命 出口治明社長 が特別講師として、経営者ブートキャンプのクラスで熱弁をふるってくれた。2時間の特別講義「リーダーシップを考える」。

戦後初の新しい生命保険会社を、60才過ぎて起業し、初期資本金として100億円以上を集め、副社長にはこれも今評判の岩瀬大輔氏と30才も離れたタッグを組んだ。4年間で大変な急成長を遂げ、無店舗で80余名の組織を率いている。

「経営とは何か」、あるいは「元気な会社の条件」などを正面から語ってくれて、後半30分間の参加者との討議も大いに盛り上がった。

参加者は、事前に出口講師の著書、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)を読んできて貰っていたので、準備万端・興味津々といった様子でもあった。同書については、私も書評を下記URLに書いている。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2012/08/blog-post_28.html