2013年5月30日木曜日

超訳ビジネス書!(書評ブログ)で「なんでも単純に信じちゃいけない、と教えて貰った」と


『本当に使える経営戦略』にレビューが。

超訳ビジネス書! 『ちょ~ビジ!』

ビジネス書を、自分の経験・感性で読み解くブログ

■ここまでズバズバ教えてくれる本はなかった
著者が、実際に経験してきたことが豊富だからこそ
指摘できる内容だな、とすごく感心しました。

戦略論の背景、考え方、生かし方、活用できるのかどうか、
机上の空論なのかどうか、
明確に、ずばっと書かれているところがすばらしいなと思いました。


(続きは下記から)
 http://businesscallcenter.seesaa.net/article/364144695.html

2013年5月29日水曜日

『本当に使える経営戦略』 早くも三刷り

 
『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(拙著、ぱる出版)は、4月13日に上梓された。
 
おかげで発刊後1週間で増刷が決まり、昨日5月28日さらに第3刷りの通知を出版社から受け取った。
 
大型書店での足が特に速く、八重洲ブックセンター東京本店では、ビジネス書週間売上げランクで4位に上がってきている。

2013年5月27日月曜日

ランチェスター戦略コンサルタントも注目!『本当に使える経営戦略』

拙著が「一言多いブログ」(ランチェスター戦略コンサルタント氏のブログ)で紹介された。1部を紹介する。

SWOTは分析ツール、戦略ではない
 強み(S)・弱み(W)は主観だし、
 脅威(T)・機会(O)は不確かだ」


そんな章&項目名を見つけ即、買いした本

続きは下記から
http://blog.livedoor.jp/isakigyou/archives/2017572.html

2013年5月26日日曜日

『挑戦 我がロマン (私の履歴書)』 鈴木敏文 書評176(2)

鈴木敏文会長は、発言も存在も露出も大きい方なのだけど、自著はそんなに多くはない。7-11本は世に溢れているのだけれど。

この自伝を読むと、鈴木氏が大経営者に成り至った原点がよく分かる。それは、統計学者、そして心理学者の2つの側面だ。
20代の時にこの2つの分野を徹底したことにより、その後の「原理原則経営」が確立したと言えよう。

従前からの旧弊や、常識というものに捕らわれない計数による判断や、消費者心理の重視、慮(おもんばか)りなどがそれだ。

伊藤オーナーとの関係も興味深いのだが、それについては別の機会で触れたい。

(この項 終わり)

2013年5月25日土曜日

『挑戦 我がロマン (私の履歴書)』 鈴木敏文 書評176(1)

2008年、日本経済新聞出版社刊。日経本誌に連載された「私の履歴書」を増補加筆したもの。

鈴木会長を私は「原則論経営者」として尊敬している。そして、その原理原則に固執することから来る豪腕ぶりも大いに支持するものだ。

そのようなスタイルはユニクロ柳井正社長と共通しているようで、とても興味深い。ただ、柳井社長の方は創業オーナー社長という立場で、言わば「好き勝手」ができる立ち位置だが、鈴木会長の場合は、伊藤雅俊オーナーという存在が社長あるいは会長として経営関与し続けている状況の中で、自らの経営道を突き進んできたという、柳井社長には無かった状況があった。

鈴木会長が自らの経営道を突き進んで来れた原点というと、本書によれば、、、

(この項 続く)

2013年5月24日金曜日

『「社長力」を高める8つの法則 』 大久保秀夫 書評175(3)

著者が掲げたような「法則」を一般化した用語で言うと、「経営規範」と言う。

実は有効な経営規範というのは数多くある。成功した創業経営者は、自らの軌跡を振り返って自社で有効だった経営規範を抽出するモノだ。そして、経営者によって成功してきた経緯や技は異なるモノだから、人により提言する経営規範は異なってくる。

そして、それぞれの経営規範は、その経営者にとっては実際に有効なモノだったから、他者はー読者はー否定することが出来ない。

それぞれの経営者が主張する経営規範はそれぞれに有効となると、読者の方でも自分が納得する、あるいは気に入った経営規範を受け入れ、感化されればよいのだ。つまり経営規範とは、極めて経営者の個々人の価値観によるモノだということである。絶対的なものは無い。

(この項 終わり)

2013年5月23日木曜日

『「社長力」を高める8つの法則 』 大久保秀夫 書評175(2)

大久保 秀夫 氏
大久保氏が説く成功の8つの法則とは次の通り。

【法則1】大きなビジョン・戦略を持っている
【法則2】会社内にナンバー2がいる
【法則3】時間の使い方を決めている
【法則4】しがらみを絶つ決断をしている
【法則5】些細なことには目をつぶる
【法則6】社外に相談相手を持つ
【法則7】謙虚な心を持つ
【法則8】他人の幸せ=自分の幸せと考える


著者がグループを拡大してきた経営哲学を集約したものではあるが、、、
(この項 続く)

『「社長力」を高める8つの法則 』 大久保秀夫 書評175(1)

実業之日本社、2010年刊。著者はフォーバル・グループの創業経営者。同書経歴によればグループ企業23社、うち国内3社、海外1社が上場、と。

創業が1980年で、私がシアーズ・ワールド・トレード社に勤務していた1985年に、証券会社の紹介で訪問した。大小問わず買収先を探していたのだ。

同社はまだベンチャーの段階で、事務所の様子も雑然としていた記憶がある。その後の、本書に至る大発展は慶賀の至りだ。

大久保氏によれば、経営成功には8つの法則があるという。それは、、、

(この項 続く)

2013年5月22日水曜日

『本当に使える経営戦略』(拙著新刊)(4)

アマゾンのもう一つの読者レビュー(★5つ)を引用する。

「筆者の蘊蓄が丁寧に語られている。学校の経営学ではなく、実業の世界で試され磨かれた経営戦略がどういうものかよくわかる。いくつもの傾きかけた会社を再建してきた人ならではの経営戦略論であり、既成の理論にはかなり厳しい批判となっている。経営戦略を立てる人は一度は目を通しておくべきで、自分自身の見解を持つことの重要さが解ると思う。 」

(この項 終わり)

2013年5月21日火曜日

ピーター・ドラッカーと経営戦略 『本当に使える経営戦略』(拙著新刊)(3)

出版記念セミナーに、ドラッカー崇拝者がいたわけだ。

私が「ドラッカーは経営戦略学者ではない」と言ったら、恐ろしく不満そうにしていた。
 
しかし、それは私だけの見解ではない。およそ欧米の主要な戦略文献を読んでも、ドラッカーに大きく筆が割かれていることはない。あるいは、無視されている。          
 
 


ドラッカーは確かに偉大だが、どのように偉大かというと、経営哲学や経営に関する箴言家という立場でだろう。経営全体に対しての目配りを利かせている。ドラッカーが経営戦略を体系立ててセオリー化したということではない。
またアマゾンのレビューの二つ目は、、、
(この項 続く)

2013年5月20日月曜日

『誰も語らなかったアジアの見えないリスク』越純一郎他 書評174

日刊工業新聞社、2012年刊。

越氏が著者兼編集者で、他に6人の共著者が分担執筆している。ASEAN諸国に製造あるいは販売進出を考慮している、または既に操業している企業のための本。大変有為だ。

というのは、共著者に現地におけるビジネスの専門家を揃え、現地での事例を豊富に挙げた上で現地での、金融、労務、投資など各分野における事業リスクを示している。またそれらへの対処法を示している。

私も、指導している会社の1つがタイに製造進出して、タイに関する記述を興味深く読んだ。そして、本書をその会社の海外事業部長に送った。読んでおいて欲しいと思ったからだ。

2013年5月19日日曜日

渥美俊一氏のチェーンストア理論 『本当に使える経営戦略』(拙著新刊)(2)

アマゾンの最初のレビュー氏が★4つとした理由として
「残念な点は次のとおり。ユニクロを例にとりながら、故渥美俊一氏のチェーンストア理論に言及していない。」

しかし、それは無い物ねだりというモノである。私が取り上げた戦略セオリーは、産業分野を横断的に適用可能と、そのセオリー自身が目指しているモノだ。汎用的で比較的知られている主要なモノを要約紹介、かつ批判したからである。特定業界に向けてのモノや、カイゼンなどの機能別な戦略は対象としなかった。

そういえば、出版記念セミナーでも
「ドラッカーは登場しないのか」
という不満の質問が有った。私が答えたのは、、、

(この項続く)

『本当に使える経営戦略』(拙著新刊) アマゾンのレビュー(1)

『本当に使える経営戦略』(山田修、ぱる出版)を4月に上梓して、アマゾンでは二つのレビューが寄せられた。http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4827207879/ref=cm_cr_dp_see_all_btm?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=bySubmissionDateDescending最初のレビューは
「本書は『アメリカの経営論が、世界でもっとも素晴らしい』と単純に思ってしまいがちな日本人に、良い警告を発してくれていると思う。」
と始まり、
「いずれにしても、ベストセラーを頭ごなしに信じるのでなく、その本質を見抜く意味でも、本書は一読の価値あり。 」
と結ばれている。丁寧に評を書いて下さり、感謝に堪えない。

★は4つで、その理由として
「残念な点は次のとおり。ユニクロを例にとりながら、故渥美俊一氏のチェーンストア理論に言及していない。」

しかし、本書は、、、

(この項続く)

2013年5月18日土曜日

サンダーバード卒業生 人生の優先順位(3)

サンダーバードの同窓会の集まりで、同窓会長としての私を知らないことはない。

「えっ、山田さんがあの会社の社長だったんですか!」
と、彼が絶句した。私は別に冷たくすることなく、親しく話しをさせてもらった。何しろ同窓会長として私はその集まりのトップ・ホストだったわけだ。

翌日、彼から電話が会社に入った。
「あの時、山田さんの会社だとは知りませんでした。できれば是非一緒に働かせて貰いたいと思うのですが」
と、言って来た。

「いや、xxさん、あなたは全く不適格でお断りです」
と、はっきり告げた。ポジションが埋まってしまったなどと、外交的なことも言わなかった。私はこの勘違いしている後輩に、私の価値観を告げたかったのだ。会社の入社面接の期日変更、というのは親の死に目くらいなのではないだろうか。

こんな古い話を思い出したのは、そうさせる出来事が今週有ったからだが、それについては控える。サンダーバードの後輩達、しっかりしてほしい。

(この項 終わり)

2013年5月17日金曜日

サンダーバード卒業生 人生の優先順位(2)

「申し訳ありませんが、面接の日程を変更して頂けませんか」
と、彼が言った。
「いいけど、どうしてですか」
首をひねりながら訪ねた。
「留学先のクラスメートが急に来日して、明日会いたいと言って来て」
と、その人は当たり前のように告げた。
「1年ぶりくらいに会うのです」
嬉しそうに、あっけらかんとした口調だった。

「そうですか、あなたはもう結構です。来なくて構いません」
と迷うことなく告げた。

「えーどうしてですか!?」
驚かれ抗議されたことに、驚いた。

「それならこちらからも結構です」
と捨て台詞のように言われて電話は終わった。

半年ほどして、サンダーバード卒業生の集まりで、その人に出会った。名刺を交換してお互いに分かったのである。

(この項 続く)

2013年5月16日木曜日

サンダーバード卒業生 人生の優先順位(1)

私がMBA留学をしたのが通称「サンダーバード」という、大学院大学(大学院だけの学校)だった。同校は日本からのMBA留学の最大の受け皿となっていて、日本人だけでも1千人以上の卒業生がいる。

だから、日本の会社の国際部門や外資で活躍しているOBの皆さんと、思わぬところで遭遇することも多い。

1990年代に私がとある外資の社長をしていた時、社員募集に履歴書を送ってきてくれたサンダーバード(日本人)がいた。アラサーで、他社で現役。別に同窓後輩だからということでなく、経験などが要件に近いと思い、面接の日を設定した。

前日にその男性から電話が入った、、、

(この項 続く)

2013年5月15日水曜日

出口治明ライフネット社長も登壇決定! 経営者ブートキャンプ 第7期 満席開講 (3)

5月11日(土)に経営者ブートキャンプの第1講があった。9月初旬までの4ヶ月間の間に7講開催される。

第7期、千本倖生氏以外の特別講師は次の4名。
「伝説のカリスマ外資経営者」 
新 将命氏

「上場請負経営者」 
池本 克之氏
「5千人の経営者を見てきた」
井上 和幸氏
「ランチェスター戦略・戦う教授」
福田 秀人氏


さらに出口治明氏が登壇してくれることが決定した。出口氏はライフネット生命保険の創業社長で、まさに今が旬の経営者として知られる。各講でお一人登場して貰い、1日の中で1時間半を特別講義してもらい、小グループ発表の方でもコメントして頂けるよう御願いしている。こんな贅沢なプログラムって他には絶対無い。

(この項 終わり)

2013年5月13日月曜日

経営者ブートキャンプ 第7期 満席開講 (2)

5月11日(土)に経営者ブートキャンプの第1講があった。9月初旬までの4ヶ月間の間に7講開催される。

第7期、千本倖生氏以外の特別講師は次の4名。
「伝説のカリスマ外資経営者」 
新 将命氏

「上場請負経営者」 
池本 克之氏
「5千人の経営者を見てきた」
井上 和幸氏
「ランチェスター戦略・戦う教授」
福田 秀人氏


各講でお一人登場して貰い、1日の中で1時間半を特別講義してもらい、小グループ発表の方でもコメントして頂けるよう御願いしている。こんな贅沢なプログラムって他には絶対無い。

(この項 続く)

経営者ブートキャンプ 第7期 満席開講 (1)

5月11日(土)に経営者ブートキャンプの第1講があった。9月初旬までの4ヶ月間の間に7講開催される。

前期から1講を加え、ほぼ3週置きに開催となった。1講加えたので、私以外の特別講師も4名が出講する。今期の新講師は、イー・アクセス社会長の千本倖生氏。同社とKDDIという2大会社の創業者にして稲盛和夫氏の薫陶を受けてきた経営者だ。

(この項 続く)

2013年5月12日日曜日

金融円滑化法終了 生き残り 戦略シナリオを示せるか(2)

それぞれの当該会社は、銀行などの金融機関に納得感のある経営改善計画書を提出する必要がある。

その際重要なのは、財務諸表の、つまり数字だけの計画では駄目だ、ということだ。読む相手を納得させるようなシナリオを包含した計画書、つまり3年を時限とした経営戦略が示されなければならない。ここの部分は言語的にしっかりして、かつ論理的に成立する戦略シナリオでなければならない。

銀行の立場としては、貸し出した先の相手をまさか全て潰す(貸し金を引き上げる)わけにはいかない。すると、少しでも自分に対して納得感のある計画を示したところは救済することになる。つまり、改善計画書レベルでの差別化を実現できればよい。

「戦略カードとシナリオライティング」技法を是非最大活用して貰いたい。

(この項 終わり)

2013年5月11日土曜日

金融円滑化法終了 生き残り 戦略シナリオを示せるか(1)

金融円滑化法終了で倒産予備軍5〜6万社(ビジネスジャーナル 2013.4.4.より)
http://biz-journal.jp/2013/04/post_1827.html

「3月末で中小企業金融円滑化法(円滑化法)の期限が切れたのだ。金融庁は、円滑化法を利用した企業は30〜40万社前後で、そのうち5〜6万社が自主再建困難と推計しているという。つまり、倒産予備軍が5〜6万社あるのだ。
 中小企業が円滑化法の適用を受けるためには、経営改善計画を提出するか、または1年以内に経営改善計画の提出を見込めることという条件があった。」

これに対応するには、、、

(この項 続く)

2013年5月9日木曜日

『セガが21世紀を支配する』馬場宏尚 書評173(3)

同書が興味深いのは、ブームを巻き起こした新興企業がピークの時に書かれた解説書には気をつけろ、ということだ。

拙新著『本当に使える経営戦略』(ぱる出版)の中でも指摘した、欧米の戦略セオリー本が陥っている誤謬と全く共通している。セガのピークは、本書が出た1995年となってしまった。

本書はタイトルも勇ましいが、最後のセンテンスはこう終わっている。
「セガが、このところ後退著しい任天堂の業績を抜くのは、もう時間の問題である」

略歴によれば著者は何と学習院で私の三年後輩で、もしや面識があるかも知れぬ。同窓会などでお遭いする機会が万一あれば、ご旧著についての見解をお伺いしたいモノだ。チョージ先生、御願いします。

(この項 終わり)

2013年5月8日水曜日

『セガが21世紀を支配する』馬場宏尚 書評173(2)

世に名経営者はたくさんいるが、私が実際に謦咳に接して最も感心したのは、中山隼雄社長だった。本書はこの中山社長がセガを急成長させた経緯を詳らかに著している。

そして、当時実際に親しくさせていただいた同社の幹部の方々、駒井徳造副社長(何と競合の任天堂からスカウトされて来た)や入交昭一郎氏(後に社長)などの活躍が記されていて興味深い。

TOY事業担当取締役の上原宗吉氏まで登場していた。上原氏は私がトミー工業時代の直接の上司だった。セガでお会いしたときには本当に驚いた。
「山田君、立派になったね」
とご挨拶を頂いたのに、
「あの時上原さんに左遷されたのを契機に退社させていただいたお陰です」
と、思い切り毒ガスを吹いてしまった。最大得意先の取締役にこれは無かっただろう。

こんな私的な思い出話ばかりでなく、同書が興味深いのは、、、

(この項 続く)

2013年5月7日火曜日

『セガが21世紀を支配する』馬場宏尚 書評173(1)

エール出版社、1995年刊。

昨日のブログで、セガ・エンタープライゼズ社がゲーム機で過去上げた売上げを確認するために読んだ本。1995年の同社年商3,500億円がほぼそれだと確認できたが、本書が面白いので通読してしまった。

セガの中興の祖となったのが当時の中山隼雄社長だった。セガはTVゲームでは任天堂と同じファブレス(製造拠点を持たない)ビジネス・モデルを選択し、私が日本法人の社長を務めていた王氏港建(香港に上場していた大手華僑系メーカー)がその最大の下請け先となっていた。

(この項 続く)

2013年5月6日月曜日

任天堂 2期連続赤字はイノベーションのジレンマ  潮目変わりに対抗できない(補)



任天堂の年商は2011年には1兆円を超していた。「1兆円企業が壊滅の道を歩み始めた」とする私の先週下記ブログでの見解には違和感を持たれる読者もあるかも知れない。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2013/04/blog-post_4379.html

発表された2013年期決算では年商が6千億円を超している。しかし、これは「まだ6千億」ではなく、「2年前からの大急落」と読むべきだ。

大ゲーム会社が失速し姿を消した例は、実は過去に2つもある。
1982年には有名なアタリ・ショックで当時ゲーム業界を急隆盛させていた米アタリ社の失速が始まり、同社はその2年後に倒産する。アタリの年商は一時3千億円を超えていた。

日本ではセガ・エンタープライゼズ社だ。同社は1994年には3千4百億円までゲーム機だけで年商を伸ばしていた(実はその時最大の製造下請けが私の会社だった)。しかしソニー・プレイステーションとの競合に敗れ、ゲーム機からは完全撤退、その後セガ・サミー社となってしまった。まあ、こちらは直接競合による敗退で、「破壊的技術」に相対したわけではないけれど。

そういうわけで、任天堂が固定ゲーム機の分野にとどまっている限り、「明日は汝が身か」と私は予測するわけだ。

2013年5月5日日曜日

『生き方』 稲盛和夫 書評172(2)

稲盛 和夫 氏
本書を経営書として読むのは難しい。もちろん稲盛氏は京セラ、そしてKDDIと大企業となった会社を2つも創業した名経営者だ。しかし、経営の成功、創業の成功術を説く部分は本書では少ない。

その具体的なアドバイスにしても、
― イメージが事前に湧き、明確なモノは成功する確率が高い
とか、
― 楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
など、「それはそうだろうけど」というレベルのモノで今更目を見張るような経営術が示されているわけではない。経営術の話しは第1章だけで、第2章は人生論、第3章は仏教説話、第4章は倫理論、第5章に至っては宇宙論である。

本書は基本的には仏教説話だ。しかし稲盛氏が現役の仏僧であることから、その説法に説得力があり、素直に沁みてくる。経営者たる者、身を慎まなければならないと教えている。

(この項 終わり)

2013年5月4日土曜日

『生き方』 稲盛和夫 書評172(1)

サンマーク出版、2004年刊。ご存じ京セラの創業経営者。松下幸之助亡き後、経営哲学ということになると稲盛氏だろうということになる。世の経営者達が「カネだけじゃあ無い筈だ」と思うようになると、まず開き出す書物だ。

実際、とても売れている、というより読まれている。アマゾンの読者レビューには本日現在で170以上もの感想が書き込まれている。

本書は経営書というより、宗教を説いている本だ。稲盛氏は実際に得度を済ませている在家坊主である仏教宗教家だそうだ。本書に掲げられているお写真を見ても、営利を求める経済人の顔ではなく、悟りを開かれた慈愛に満ちた容貌をなさっている。

これらのことは皮肉でも何でもない。

(この項 続く)

『本当に使える経営戦略』 久々におもしろいビジネス書を読みました。

拙著が「楽天経営主義」(経営コンサルタント氏のブログ)で紹介された。1部を抜粋する。

久々におもしろいビジネス書を読みました。
この本は帯にあるように「著名戦略セオリーの有効性と限界を
読み解く!」ものです。
第一にあげられていたのが「エクセレント・カンパニー」なの
ですが、あの本の内容がデータをねつ造したでっち上げだった
と、著者自身が告発していることが驚きでした。

(略)
この本に書かれていることは、日頃私が思っていたことを代弁
してくれています。というより、漠然と思っていたことをこの本の著者が明らかにしてくれたと言った方が良いかもしれません。

これまで、新しい経営戦略・セオリーがでると意図した場合も
しない場合も仕事柄、目にすることが多いです。(略)これらのセオリーがなぜダメなのかもこの本は解き明かして
くれています。


続きは下記から
http://blog.goo.ne.jp/pro2-c/e/92faa260987eac7f78e142e514257121

2013年5月3日金曜日

新将命(あたらしまさみ)氏 『経営リーダーシップ実学』 書評171


敬愛する新将命氏の『経営リーダーシップ実学』が完成、刊行された。本全集は、ベストセラーとなった教科書シリーズ3冊、「グローバルリーダーセミナー特別講演」DVD3巻、オリジナルの小冊子やテキスト数点という意欲的なモノだ。

まさに新さんが長年広めてこられた「新(あたらし)経営」と「新(あたらし)リーダーシップ」の神髄を伝える『全集』と呼んでふさわしいものだろう。読者はテキストだけでなく、DVD映像から、活きた形で新さんに語りかけてもらえる。みっちり学ぶことが出来る。新(あたらし)経営学の集大成がここにある。

詳細と申し込みは下記から。
http://www.atarashimasami.com/jitsugaku/


『セブンーイレブンの正体』古川琢哉+週刊金曜日取材班 書評170(2)

セブン―イレブンのように突出して成功しているFCチェーンの場合、その成功とはザー(本部)の財務的優良度として伝えられるわけだ。

ザーが大成功となると、FCシステムの当然としてジー(加盟店)の方の不幸が予見される。本書はそのような見立てにより取材され、問題点を抽出した。

加盟店が1万数千に達している本チェーンなので、「チェーン内問題」をとりあげても出版商業主義的には充分に販売部数が計算できたことだろう。

しかし、それらの問題点とは基本的にザーとジーとの間の相互関係におけるモノで、消費者や社会にまで出てくるものではない。つまり、あまり普遍的なモノではない。一読者としては、「知られた、ヒトの会社の内部問題」をのぞき見るような興味は感じたが。

(この項 終わり)

『セブンーイレブンの正体』古川琢哉+週刊金曜日取材班 書評170(1)

(株)金曜日、2008年刊。

セブン―イレブンの経営における諸問題を、加盟店オーナーと取引先業者の視点から焦点を当てている。

私も30代の半ばにコンピュータランドというアメリカのフランチャイズ・チェーンに奉職したことがある。日本におけるフランチャイズ本部側での経営幹部の一員だった。

FCチェーンでは、本部と加盟店はそれぞれが独立事業者であり、それが契約により1つのチェーン・ブランドを使い消費者に対しては同一企業のようにふるまう。しかし、ザー(本部)とジー(加盟店)は取引関係にある別法人である限り、利益や経費の配分・負担については相反関係となる。

(この項 続く)