2011年5月31日火曜日

「経営幹部が会社を潰す!」連載(13)




◆「参謀」と「鬼軍曹」、どちらを「将校」に育てる?

さて問題は、誰を「将校」に育てていくかということだ。「将校」からは「将軍」、すなわち「経営者」が出るわけだから、この選択は重要だ。「兵隊」からすぐ「将校」にはなりえないので、「参謀」か「鬼軍曹」から選ぶことになる。
この答えは、「参謀」から抜擢、あるいは育成すべきだ。
なぜなら、「将校」ともなると会社全体の戦略やら方針やらを決める立場にあたる。全体が進む方向を決める立場には、「判断力がある」ことが絶対不可欠である。「参謀」の中から、組織全体に影響力を行使できるような部長を見出し、その傾向を伸ばしていくように指導して、「将校」に抜擢していくのが、企業100年の計となるのだ。

2011年5月27日金曜日

次の本(単著)は8月20頃



日本実業出版社から刊行する次の著者(こちらは単著)は脱稿していて、昨日編集部長と打ち合わせ。

何点か書き膨らますことなど了解。発刊時については営業的な見地から8月20頃となった。

現下のビジネス書のベストセラーの一つに「ストーリーとしての競争戦略」(楠木建、東洋経済新報社)がある。「戦略本」のカテゴリーに私の本は参入することになる。300ページほど、1,800円定価か。タイトルはこれから詰める。

戦略の実際の立て方、私の経営体験事例、既存の競争戦略セオリー批判 の三つが三本柱。
「とてもおもしろい文章ですいすい読めてしまった」とは担当編集氏。

2011年5月25日水曜日

池本克之氏とチャリティー・セミナー収録




「上場請負経営者」の異名で知られる池本氏は、経営者ブートキャンプの特別講師でもある。

その池本さんが、東北大震災のためのチャリティー・セミナーを主宰してくれるというので、出演を喜んで引き受けた。

その収録というのが池本さんらしく、両方とも事務所にいたままでSKYPEにより遠隔ビデオ対話をして、それをそのままビデオ収録、編集して来月配信するとのこと。

初めてのことなので、朝方接続に20分ほどかかったが、無事60分強収録した。テーマは「危機の時にこそ活用できる繁栄の黄金律」といったところか(仮のタイトル)。インターネットで配信と言うことで、その仕組みにも興味が持たれる。

2011年5月24日火曜日

「経営学入門」十川廣國 書評78



中央経済社、2006年刊。同著者による「経営学イノベーション」シリーズの第1巻。
第2巻の「経営戦略論」(こちらは、各章を専門研究者が分担執筆:本日のブログ・タイトルのクリックで拙書評にリンクが)を紹介した折に購読していた。

著者は商学博士ではあるが経営学の著書を幾つも。この本自体は学部学生向けのテキストのような位置づけ。拙書評で紹介することにしたのは、「第5章企業の目的と経営戦略」に、納得できる指摘があったから。

「ミンツバーグらの研究によると、計画的戦略(意図的戦略:山田注)が一つの極として位置づけられ、創発的戦略がもう一方の極として位置づけられることになる」(119ページ)

「戦略策定は計画、創発という2本の足で歩くと考えられなければならないものである」(120ページ)

「(両者は)それぞれ独立に存在するものではなく、それぞれを両極として連続的な直線上に位置しているものであり」(120ページ)

欧米の学説の受け売り、あるいは解説に終わらず新しい視点を提出しているし、何より経営現場からの実感からも納得感がある説明と評価できる。

第5章だけのために1冊買う価値がある。

2011年5月23日月曜日

「プロフェッショナル・リーダーの教科書」新著の表紙




「経営者ブートキャンプ公式副読本」と銘打たれた5人本。無敵の講師陣が各1章ずつを分担して勝ち残り伸びていく経営者の要件を鋭く指摘した。6月20日配本予定で、今回は表紙が上がってきた。

2011年5月21日土曜日

SMBCコンサルで公開セミナー2講義



SMBCコンサルティングで部長など上級幹部対象の公開セミナー。

午前中は、「経営戦略の立て方と使い方」
午後は  「部長のコミュニケーション力強化」

土曜日だったが、午前、午後も20名以上の参加。大阪から新幹線組も。アンケートの評点は上々。

2011年5月20日金曜日

「組織戦略の考え方」沼上幹 書評77



ちくま新書2003年刊。著者の本は、「図書60 経営戦略思考法」で取り上げた(本日のブログタイトルのクリックでリンクを張った)。既存学説の解説が分かりやすいところが評価が高かった。

今日のこの本では、第4章の「欲求階層説の誤用」という主張というか、論理の立て方に難を唱えたい。
「欲求階層説」とは例の、マズローの5段階欲求階層説のことだ。

沼上はまず、マズローの説は実証されていない、とマズローの説明を受け入れない立場を取っている。これはマズロー説全体に対してのものだ。ところが、その後の沼上の主張は、「第5段階よりも第4段階の方が重要だ」というのだ。

おかしいではないか。論の成立を全否定したはずのセオリーなのに、次にはその1部を自分の主張に引きつけている。

これだけでも沼上の立論は成立しないのだが、さらに具体的に引用すると
「だから一番真剣に考えなければならないのは、、自己実現欲求なのではなく、承認・尊厳欲求の部分だと私には思われてならない」
と言っている。

マズローの方を「実証されていない」として、自分の方は「思われてならない」?どこに実証があるのだろうか。
沼上の主張の内容についての当否を私は指摘しているのではない。何を言うにしても、これではそれが論理的に成立していないよ、ということを指摘しているのだ。

大野晋先生



前々回のブログで国語学者のことを書いた。私が学習院大学の国文科に入学したのは1967年のことだった。高校生で知るよしもなかったのだが、当時の学習院大学の国文科は、教授の顔ぶれといった点ではまさに日本一だった。江戸時代文学では、麻生磯次、宮本三郎、諏訪春雄。源氏物語の松尾聡。上代文学では五味智英。それぞれの分野でこの國の最高権威の学者がそろっていた。

そして国語学では何と言っても大野晋(すすむ)。大野先生は晩年の日本語:タミル語関連説の提唱で孤高の戦いを選ばれたが、上代語から平安言葉までの古語については今に至るも追随を許さない。大ベストセラー「日本語練習帖」(岩波新書)で一般には知られるが、その日本語への博識から一流作家にも心酔者が多く、「作家の家庭教師」とも言われた。

大野先生の告別式に駆けつけて焼香の列に並んだら、弔辞が既に始まっていた。途中から聞いたのだが、その格式の高いことに一驚して思わず既に並んでいるご婦人に、
「これはどなたですか」と尋ねると、
「丸谷才一ですよ」
と、諭された。葬儀委員長は井上ひさしが勤め、出棺の際の挨拶も遺族に代わってしていた。
日本語学者を気取るのなら、金田一京助ほどの、大野晋ほどの達成をしてもらいたい。

「経営幹部が会社を潰す!」連載(12)





◆それでは誰を育てるのか?


全ての社員は、「勤勉さ」「頭のよさ」の2つの基準で分けることができる。
<図>「誰を将校に?」

参謀
将校

  兵隊
 
鬼軍曹

<図>の横軸は「働きのよい社員/よくない社員」、そして縦軸は「頭がよい社員/よくない社員」という基準を示す。
縦軸でいう「頭がよい」とは、「状況判断が的確」という意味である。ビジネスの場面では、「物覚えがよい」ことよりも「判断力がある」という頭のよさが重要だからだ。
この2つの基準により、社員は4つの象限に分類される。図に示した「将校」(幹部)、「参謀」、「鬼軍曹」そして「兵隊」(一般社員)である。
「参謀」にあたる社員としては、企画や広告、財務などのスタッフ職、「鬼軍曹」にあたる社員としては、現場監督や営業の第一線にいる管理職などが典型となろう。
それぞれの象限の割合は、「将校」が全体の5%、「参謀」と「鬼軍曹」が管理職ということでそれぞれ10%、残りの75%が「兵隊」(一般社員)となる。多くの会社の組成と、それほど違和感がないはずだ。

才能のある国語学者3名





前回のブログに自分で触発されたので、この記事を書く。

私は国文科出で、一応修士号を持ち、活字になった学術論文もあったつまり研究者の卵だった。その視点から、私の学生時代から現在まで、このフィールドで三人の偉大な先達者がいると感じてきた。

池田弥三郎氏(故人)は、慶応国文の名物教授だった。テレビが盛んになる前、ラジオのクイズ番組などで、大変な売れっ子となっていた。彼は民俗学が専門で、その生涯を通じての最大の業績は師匠の折口信夫の民俗学を整理することだった。私が不勉強で知らなかったのかも知らないが、それ以外に私は知らない。

林望氏は、文献学の先生で業績は(唯一ではないだろうが)オックスフォードに納められている日本語文献のリストを作成したことと言われている。あまり負担になる研究でなかったことは、その合間に「イギリスは美味しい」という食べ歩き本をものしたことでも知れる。国語の能力を発揮して、エッセーが巧みである。

金田一秀穂氏については、前ブログで触れた。

さて、皆さん。ご自分の専門できちんと勉強しましょう。

金田一国語学 三代?






ラジオに金田一秀穂氏が出演していて、日本語学研究の経緯など話していた。
「歌舞伎のように家系として期待されているところもあったのか」
などと、コメントしていて、大いに違和感を持った。初代(?)金田一京助はアイヌ語学の擡頭、かくれもない大国語学者だった。2代目(?)春彦は辞書の編纂などして、これも「国語学者」と敬することにやぶさかではない。
金田一秀穂、who? まともな国語、国文学者ならこんな感想となるだろう。秀穂氏は杏林大学の教授だが、所属は外国語学部であり、ご専攻は日本語教育、つまり外国人に日本語を教えるというものだ。どんな商売も卑下されるべきではないが、日本語教育は技術であって、それ自体が学問と言えるものなのか。
そもそも学問に家業や家督承継などありえない。環境論的にその道に入る人はいることだろう。しかし、学的達成と真理の追究は遠い話である。
「私はタレントなんですよ」
とは言えないのだろうが、爺さん・オヤジの学的七光り的なひけらかし(類縁を語り、現在の自分の専攻を語ればそうなってしまう)は慎んだ方がよい。

「戦略の名著!最強43冊のエッセンス」 書評76




講談社+アルファ文庫、2009年。有坪民雄・守屋淳の分担執筆(こういうのを「共著」と言って良いのかな?)

有坪民雄が自分の分担のところでおもしろい見解を述べている。

「アカデミズムの世界とは別に、日本には三つの俗流経営戦略の潮流が出てくる。連合艦隊、中国古典、徳川家康といったような歴史に学ぼうというベストセラー雑誌を好んだ「プレジデント」派、軍事理論に学ぼうとしたランチェスター派、アメリカで認められなかったエドワード・デミングにならうカイゼン派である。」

1980年代の日本における経営セオリー世相を上手く説明しているではないか。「俗流経営戦略」というのは有島の造語であろうが、なかなか表現力に富む。
そういえば、新聞に毎月「プレジデント」誌が大きな広告を出していましたね。考えてみれば、あんなにあの雑誌は流行っていたわけだ。
またデミングのことを「今は亡き」風に軽く触れているのが確かな時代感覚だ。私も「タフネゴシエーターの人を見抜く技術」(講談社2001年)で、「デミング賞受賞企業のその後」の検証をしてみた。すると、受賞企業の方がそのためにその後業績不調に陥っていることが実証された。デミング賞に対して世の中が白けてきたのは、私の指摘と時期を一にしていると思っている。
その後「経営品質大賞」なんて始まったが、時代を魅了したとは言えない。

2011年5月19日木曜日

「経営幹部が会社を潰す!」連載(11)




◆抜擢して育てろ!

 前回(2011.1.11 No.11-005)、「『企業はヒトなり』だけではない」と述べ、大きな反響をいただいた。
そして、「ヒトは『組織の三要素』の1つであり、他の2つの要素『ジョブ・スペック』と『組み合わせ』の設計にこそ、マネジメントの出番がある」とも指摘した。この指摘の裏には、「全てのヒトが短期間に大きく伸びることはない」という厳しい現実がある。
全ての社員が望むスピードで成長しないのであれば、「早く伸びる少数の社員を見出し、彼らの成長を助ける」ことが、解となる。
社員全体のモラール確保の立場からは、「研修・育成の機会は全員に与える」というスタンスを示すのだが、実際には特定の社員を育てるべきなのだ。これが、「社員は抜擢して育てろ」と、私が主張する所以である。

トップセミナーや部長研修の依頼が立て継ぐ


本日はよく使う、吉祥寺のカフェで企業向けの研修会社と打ち合わせ。
某巨大企業の子会社の経営者グループを集めての3日x2回のプログラムで最終講義をしてくれとのこと。

打ち合わせを終えて帰宅途中に、携帯電話が鳴り、公開研修を行っている大手から、昨年に引き続き今年も部長クラスを対象とした1日セミナーを開講してくれとの依頼。

自宅(SOHO)に戻ってメールを開いてみたら、今度は関西でのトップ・セミナー(金融が取引先の経営者を会員としている月例勉強会)への出講依頼。

東北大震災で息を潜めていたような業界が、秋に向かって走り始めたことを感じる。

ダイヤモンド社の講師プロファイルが一新



ダイヤモンド社からは2冊刊行している。同社が

「ダイヤモンドビジネスタレント.COM」が、

サービス名を始め、WEBサイトを一新いたしましたので、ご案内申し上げます」

と通知をしてきてくれたので、これを機会にそちらで紹介して貰っている私のプロファイルも更新した。本日のタイトルをクリックして貰うとリンクが張ってある。おもしろいことに、私の著書として写真付きで何点も掲載されているのだが、最後の2点は同姓同名の著者のもの。データを引用するシステム上の問題で直せないらしいが、どんな本が私の本とされているか、ご一覧あれ。こんな本まで書ければ、私も何と守備範囲の広い人物なのだろう。

2011年5月17日火曜日

「経営幹部が会社を潰す!」連載(10)




◆マネジメントの出番は

企業のパフォーマンスを決めるのは「ヒト」だけではなく、「組織の三要素」なわけだ。それでは、「組織の三要素」を経営者はどのように差配したり、操ることができるのだろうか。
まず、「ヒト」は変わりにくいし、全ての「ヒト」が伸びるわけではない。またよい「ヒト」を的確に中途採用することも、実は難しい。そこで私は、「選んで育てろ」と教えている。
与件という要素が強い「ヒト」に比し、「ジョブ・スペック」と「組み合わせ」は、会社が自由に選択・決定して実施できる領域だ。言ってみれば「マネジメントの出番」であり、業績に直結する。だから、ここを考えるのが「組織再構成」のホネとなる。
「企業はヒトだから」などと言っていい人材の出現だけを待っていないで、また、いい人材がいないからと諦めていないで、最大効率となる組織形態を探し、実現していくのが経営者の役目であろう。

圓窓師匠に学ぶ落語勉強会



お世話になっているインサイトラーニング社が、同社のプロの講師だけを対象にした勉強会を定期的に開催している。プレゼンテーションやコミュニケーションの分野では草分けのような同社での社内講習会というと、どんな先生が、、、と思うでしょう。

やはり、すごい。大真打ちの三遊亭圓窓師匠から5回にわたって教えてもらえるんだって。幸い今期はスケジュールが合ったので来月から月次、全5回に出席させてもらうことにした。いや、楽しみ。

2011年5月15日日曜日

「経営幹部が会社を潰す!」連載(9)




◆組織の三要素
堺屋太一氏もいつぞや「『企業はヒトなり』は組織論の墓場だ」とおっしゃっていた。この言葉の代わりに私がずっと提唱してきたのが、「組織には3つの重要な要素がある」ということだ。
私の考える「組織の三要素」とは、「ヒト」「ジョブ・スペック」「組み合わせ」である。
「ヒト」は個々の社員のことであり、組織を構成する最小単位だ。
「ジョブ・スペック」とは、それぞれの「ヒト」に何をやらせるかという、仕事の割り当てのことだ。「業務管掌」と訳し、制度としてそれを持っている会社では、「業務管掌票」により個々の社員の業務内容を明示している。
「組み合わせ」で一番小さいものは、「ヒト」と「ヒト」との組み合わせだ。つまり特定の「業務」を割り当てられた「ヒト」(個々の社員)同士をどう組み合わせるか。 そして次には、できた小単位(チーム)同士をどう組み合わせるか。さらに、課や部などの大きな単位をどう組み合わせるか。これらの決定により、会社のビジネス・フローやビジネス・モデル(業務の流れ・やり方・分担)が決まっていく。

「経営戦略論」十川廣國 編著 書評75



中央経済社刊。編者による「経営学イノベーション」3冊シリーズの2冊目。それぞれの章は各大学経営学の教授が分担執筆している。2006年刊行なので、アカデミーの比較的最近の到達点を概観できる書の筈である。

各章あまり紙数が多くなく、活字級数も詰まっていないので読みやすい。学部学生向けの概説書として好個な編集と思う。

私は、第10章の「戦略プロセスにおけるマネジメントの役割」が目当てで購入。というのは、このテーマでを掘り下げた学術書で適当なものが見当たりにくかったことがある。馬場杉夫専修大学経営学部教授の担当執筆。ところが、第10章の本論の中では、先行文献の引用が殆ど無く、戦略論ではこのテーマが掘り下げられていないことを再確認した。第10章本文での記述もだから馬場教授のご論の筈だ。その内容については大いに異論を感じ、次回拙著に急遽筆を割いた。

2011年5月14日土曜日

経営者ブートキャンプ参加者が話題の書を





「「新・ぶら下がり社員」症候群」(東洋経済新報社)が話題となっている。30歳前後の会社員の無気力ぶりとそれへの対応策を説いて、週刊誌などでも記事として取り上げられている。

この著者の吉田実さんが第3期の参加者として列席してくれている。経営者ブートキャンプの講師陣も来月共著を同じ出版社から出す。講師も参加者もあの東洋経済新報社から、だ。本コースの充実ぶりがうかがわれるだろう。

経営者ブートキャンプ 第3講 開講




経営者ブートキャンプの第3講が本日開講した。
開講までは大震災で落ち着かない状況だったが、開講してみればいつもの熱気がもどった。

執筆終了したばかりの、7月(予定)発刊「赤字企業を立て直す! 超実践 経営改革の進め方」(日本実業出版社)での新しい知見を早速レクチャー。戦略立案論として初めての技法を発表することになる。

2011年5月5日木曜日

新著 脱稿!



いやはや、新著の執筆に集中していて、ブログの更新がこれだけ空いてしまった。ブログ開設以来、初めて。
新著は無事脱稿して、初稿の校正をしている。3月中旬から執筆開始して、原発疎開があり、実質6週間で500枚を書き下ろした。

ブログを見てくれている読者は混乱するかも知れない。
6月発刊 決定  共著 「プロフェッショナル・リーダーの教科書」東洋経済新報社
7月(予定)発刊 単著 「赤字企業を立て直す! 超実践 経営改革の進め方」

「脱稿した!」と喜んでいるのは後者のこと。
この本は、経営戦略の実際の立て方を示した世界初の書。私が諸処で教えているオリジナル「戦略カードとシナリオライティング」を詳細に披露している。まあ、アントニオ猪木が卍固めを繰り出したようなものですな。

方法論だけではただの「ハウツー本」になってしまうと編集の方が言うので、フィリップスライティング社の再生で実際に繰り出した戦略と絡めて、戦略策定が進んでいくという、読み物としてもおもしろく(たぶんとてもおもしろい)。タイトルはこの編集の人が付けた。

合間合間に、マイケル・ポーターから楠木建まで、主要な戦略セオリーを斬りまくり(?)最後は私の戦略策定モデル、PSRDモデルを提唱している。

PSRDモデルって何の略で、どんなモデルなのかと お尋ねですか?

是非この本をお求めになり、お確かめください。

組織は経営者の意思表示



今週、名古屋に赴いてとある会社の経営陣による三年経営戦略発表会を司会、コメントした。彼らが外部の資本家に対して行い、私は過去数ヶ月その策定を指導してきた。

私は常々「組織戦略が最も重要」と主張している。今週の戦略発表に対しても、組織に関するところで幾つかコメントさせてもらった。経営者は、彼が預かった組織を通じてその会社の―あるいは彼のー経営目標を実践する。ということは、「社長は一人では何も出来ない」。

組織の再編成をすると言うことは、経営者が何をやりたいか、何を不要と考えていることの具現化となる。
こまめにメンテナンスして、時には大胆に編成し直す。ここのさじ加減が経営の真骨頂となる。

2011年5月1日日曜日

「イノベーションのジレンマ」 書評74 (2)



新著に引用批判するので、精読した。下記が、著書で書き込んだ原稿である。


このように考えてみると、破壊的技術を経営戦略の立案に使えるプレイヤーは存在しないことになります。
クリステンセンの解説と分析は見事なもので、学問的には意味がありました。しかし、実際の経営戦略を立てる際のパーツとして使えないとなると、それは実用的には価値がないものです。この段落の二つの文を縮めて言い直しましょう。
「意味があるけど、価値がない」