2011年3月31日木曜日
「叛旗兵」山田風太郎は日本のA.デュマだ!書評70
私の書評は、経営書やビジネス書を主としているのだが、私のそもそもの専攻が国文学だった。だから、実は小説を読むのが好きである。またこの分野でも研究者でもあった(活字になっている学術論文もある)。
世界の小説でおよそ一番おもしろい者は、今まで私が読んできた中では「源氏物語」である。「源氏物語」はおもしろさとともに、その古さと長さでこれも世界一である。私たちは、世界の小説の中でも宝石中の宝石を手にしている幸せな国に生まれた。
「源氏物語」と同じくらいに長編なのが、A.デュマの「三銃士物語」であることはあまり知られていない。こちらの方は、歴史活劇として誠に雄渾、読書の醍醐味を感じさせる大作だ。
長々と、紫式部とデュマの礼賛を重ねてきたが、それも山田風太郎を今日のブログで比肩させたいからだ。
山田風太郎というと、忍法帖シリーズで知られていて、大衆エロ小説家のようなイメージを持たれている読者も多いのではないだろうか。かくいう私も数年前まではその類だった。
しかし、ここ数年、まず忍法帖以外にミステリーがあることを知り、それを紐解いてみると、その達者なことに驚嘆し、それから明治ものと言われる歴史シリーズに進み、そのストーリー・テラーぶりに大いに驚いた。
今回「叛旗兵」に至って、完全にシャッポを脱いだ。山田風太郎こそ、「日本のアレクサンドル・デュマ」と賞賛するにふさわしい大作家である。
キッチンハウス社で社長をしていた時代、社員に山田風太郎の長男がいた。いや、もう少し親父さんの話をしておけばよかった。
2011年3月29日火曜日
経営者ブートキャンプはいつもリアルな経営問題が勃発
経営者ブートキャンプは前期が終わり、いわば端境期だが、先週、今週と前期参加者のオーナー社長と個別に会食をした。
両人ともそれぞれの会社でガバナンスに関わる重大な問題があり、助言を求められた。
考えてみれば、その前の期の時もそうだったが、半年の期間で展開しているので、必ず3-4名の参加者の会社で重大な経営問題が起こる。外資の社長が転出したケースも複数有った。
しかし、言えることはそれらの「重大な局面」を乗り越えた経営者たちは皆一皮むけ、あるいは一つ階段を登るようなことになる。経営の経験値は書物からは得られないし、修羅場と言うことならそれは劇薬のようにその人を成長させる。もちろんつぶれてしまうリスクもある。
皆さんの幸いなことは、私などの講師陣、そして参加者としての経営者仲間からの助言やら精神的な支援を持つことが出来ることだろう。これをネットワークとと言う。
2011年3月28日月曜日
経営者ブートキャンプ第3期の説明会セミナー、4月14日と21日急がれよ
次の期は5月からだ。説明会を兼ねたセミナーも埋まってきている。本日のブログ・タイトルをクリックすると、説明会へのリンクが張ってある。
(1) 2011年4月12日(火)16:00~18:00(受付:15:40~) 満席
(2) 2011年4月12日(火)19:00~21:00(受付:18:40~) 満席
(3) 2011年4月14日(木)16:00~18:00(受付:15:40~)
(4) 2011年4月14日(木)19:00~21:00(受付:18:40~) 満席
(5) 2011年4月21日(木)16:00~18:00(受付:15:40~)
(6) 2011年4月21日(木)19:00~21:00(受付:18:40~) 満席
2011年3月27日日曜日
「君主論」マキャウェリ 書評69
ご存じの古典名著。私が今回読んだテキストは中公文庫。自分の専攻が、国文学からマーケティング、あるいは英語、華僑問題と移ってきた過程で、あまり社会学系や哲学系のスタンダードな典籍を読みこなしていない。
今回本書を紐解くきっかけとなったのは、経営者ブートキャンプ第2期の参加者からの推薦図書にあったことから。期の初めに「他の参加経営者に是非読んで欲しい3冊を挙げよ」という課題を与えて、私はそれらを片っ端から読破してきて、この図書表シリーズに取り上げている。
ビジネス書や経営書でないモノは正直敷居が高いというか、食わず嫌いで後回しにしてきた。
「君主論」の中の「君主」を「社長」と読み替えると、格好の企業ガバナンス論になる、と解説する別の書物があるくらいなので、私の視点もそんなところにあった、しかし、マキャウェリの「君主」を「経営者」に引きつけて読める実際の例はあまり現代にはない。というのは、マキャウェリが論じている多くの君主が、後天的に着位した例が多いからである。現代の経営者で言えば、外資の社長とか、ファンドからの派遣経営者のように、「突然舞い降りてきた、予期されていなかった支配者」に対しての社員からのリアクションという形で参考を得られるだろう。
会社の中でガバナンス問題を抱えている経営者にとっては身につまされるように参考になるところがある。現役時代の私にはずいぶん有益な書だったろう。もっと早く遭遇していたかった。
2011年3月26日土曜日
サンダーバード(母校)の紹介ビデオ
母校から、紹介ビデオが届いた。10分弱。多くの写真。在校生のコメントなども。本日のタイトルをクリックしてもリンクが張ってある。
http://info.thunderbird.edu/t/29746/5286268/7492/0/
サンダーバードは相変わらず、各種のビジネススクール・ランキングで1位を占めている。
#1 "Best in International Business" Full-time MBA
Financial Times 2011 (5th consecutive #1 ranking)
#1 "International" Full-time MBA
U.S. News & World Report 2012 (16th consecutive #1 ranking)
#1 "Potential to Network"
The Economist 2010
#1 Executive MBA "Alumni" score
The Wall Street Journal 2010
#1 Executive MBA "Management Skills Taught" score
The Wall Street Journal 2010
#3 "Best Executive MBA Programs"
The Wall Street Journal 2010
2011年3月24日木曜日
マズロー欲求で言えば下から2番目
「マズローの欲求5段階説」で下から2番目が「安全への欲求」である。
福島第1原発の問題は3号機だった。この炉だけ、燃料に略称MOX燃料というモノを使っている。燃料棒にプルトニウムを混合採用しているというのだが、そのプルトニウムの毒素が非常に強い。
といわけで、先週は疎開避難をしていた。京都に行こうかと試みたが、春の行楽連休と言うことでホテルが取れず。途中の浜名湖で京都のホテルキャンセル待ち。そうしていたら、例の東京消防庁による決死の放水が実施され、3号機のメルトダウンは当面まぬかれたと、帰京した。
浜名湖のホテルでは、半分が行楽客、半分が避難。とあるご婦人が
「私は妊娠しているので、海外避難しようかと思っています」
と話していた。あのご婦人はどうしたろう。
帰京してきたら、本日は
「乳児には水道水は」
というレベルの放射能汚染である。妊娠しているご婦人には肝を潰すような騒ぎ、心配だろう。
ミネラル・ウォーターを買いに出ようかと思ったが、
「自分が買った分だけ、被災地の方にまわらない」
と思い、自重する。
マズロー欲求の階梯を登っていけるのはいつの日になるのだろう。
2011年3月15日火曜日
4月の「成功する経営戦略の作り方」(経営者・幹部向け)3回が満員
コンサル出張も延期
計画停電も気になるが、一番心配なのは2号原子炉の炉心溶融。海水入れが成功するのか、昨晩も遅くまでTVを見ていた。
多くの被災者の方がとても大変な生活を強いられている。
TVを見て感動したのは、助かった主婦の方がその町の店に買い物に来たところをインタビューされていた
「お菓子以外しかありませんでした。、、、でも私のところよりも各地でまだひどい状態の方がたくさんいらっしゃる。見つかっていない方も多い。一刻も早くそういう方たちを助けて上げてください」
そして
「どうかお願いします」
といって泣かれた。
被災地での買い物も公衆電話を使うのも整然と列を作って何時間も待っている。他の国だったら略奪が起きている。中東での現下の革命騒ぎと比べるとよく分かる。
日本は尊敬すべき国、社会だと言うことを実感。
コンサルや出講はキャンセルやら延期が続き、3月のこれからは新著の原稿書きに専念となるか。
2011年3月13日日曜日
「プロ経営者」育成研究 抜粋(5))ー賢い意思決定
鹿児島の経営塾で「モノカネが無くても勝てる組織作り」講演
2011年3月12日土曜日
公開セミナー中に大地震、参加者とともに泊まり込み
その時はみずほ総研で「結果を出す経営戦略の立て方と実践」というタイトルで出講していた。
3時近くに経験したことのない強く、長い横揺れが起こり、クラスは騒然となった。
「このビルは安全です」
とか
「エレベーターは使わないでください」
などの館内放送が鳴り響く。
携帯やメールでの連絡を奨励している内に、4時になり主催会社がセミナーの中止を決定。
しかし、交通機関が全面ストップと言うことでもあり、帰れない、帰らないという参加者が多く出た。
私も徒歩で帰宅するとなると6時間くらいか。ビルの外の歩道には帰宅難民があふれ、やがて夜が来た。
帰れない参加社とともに結局1泊。感心したのは、参加者全員に対しての清潔な毛布や、乾パンなどの非常食の用意に抜かりがなかったことだった。
「さすが、「リスク管理」などのセミナーも公開実施している研修会社、抜かりがないな」
と感心
2011年3月9日水曜日
「プロ経営者」育成研究 抜粋4)ーゲームズマンとしての自覚
日本フランチャイズ・ショー2011を歩く
昨日東京国際展示場を訪れた目的は、日本フランチャイズ・ショーの方。
200近くのフランチャイザー(フランチャイズ本部側企業)がブースを並べ、大変活況を呈していた。
賑わい感があったのは、ブースの多くが前でパンフを渡すなどの「客引き」をしていたこともある。加盟店募集が生命線のフランチャイズ本部ビジネスらしいことだ。飲食系ではいくつものチェーンが実際に展示即売をしていて、通常の休憩コーナーも出展フランチャイズ企業の店が複数で実演販売をしていた。
飲食系だけでなく、高齢者向けや健康産業など、時代に焦点を合わせた、低初期投資、丁寧な開業支援と言ったところが歓迎されているようだ。
私がうろうろしていたら、「退職後の小金持ちで何か小規模な開業検討者」と見えたのだろう、いろいろなところで盛んに誘ってもらえた。
2011年3月8日火曜日
ライティング・フエア’11でフィリップスのブースを訪ねる
本日フランチャイズ・ショーを見に東京国際展示場に出かけたら、同じ建物でライティング・フェアが同時開催されていた。
後者の会場見取り図をもらったら、フィリップス社が広告を出していて同社のブースの場所が強調されていた。他の会社の展示は無視して、フィリップスのブースに足を向けた。世界最大の照明メーカーにしては小ぶりなブース。
10名近くの社員がアテンドしていて、若い男性に説明してもらう。見知った顔は一切いなかった。
商品もほとんどがLEDとなっていて、私が拡販した商品としては店舗用の特殊照明CDMランプのみ見当たった。そのCDMにしても、もらった説明は
「松下のxxに該当するランプです」
とのこと。
(これはフィリップスのオリジナルだよ)
とは言わなかった。
私がプィリップス・ライティング社の社長を退いたのは1999年のことだ。時代はまわった。
2011年3月7日月曜日
後継経営者に関する連載記事を開始する
「プロ経営者」育成研究 抜粋(3)ーV字型回復の持論
― 次に業績の話をお聞かせください。ご自身として主観的に自慢できる業績は何でしょうか?
6社で社長をやって、数字的にはこれがいちばん大きいと思うのは、フィリップスライティングの時の業績です。私の着任前3年間で売上が150億円から半減していたのが、私がいた3年強で3倍になりました。いわゆるV字回復です。社員を85人から61人に4分の1減らして、ほとんど増やさずに達成しました。4分の3の社員で3倍の売上を担保したということは、1人あたりの効率は400%改善したんです。利益も結果として1人あたり経常利益が1600万円、次の年で2000万円。公表している会社でこれを超えているのは当時任天堂とアルゼの2社しかありませんでした。
(以下、本日のタイトルからリンク)
フランチャイズ・ショーを見に行く
2011年3月5日土曜日
書評図書、どうやって選んでいるのか
「図書67」などとして本ブログでは経営書、ビジネス書を中心に書評を重ねてきている。
対象とする書物が別に最新のビジネス・ベストセラーではないので、どんな選考基準があるのか先日尋ねられた。
経営者や幹部を月次で教える「経営者ブートキャンプ」を主宰しているわけだが、その参加者たちに、
「他の参加者に是非読んで欲しい本」
を2,3冊上げよという課題を課している。
その中で私がまだ読んでいなかった本を片っ端から読破して順次書評として取り上げている。
「教えることは学ぶこと」
が実感される場面だ。
経営者ブートキャンプの次期は5月からなので、また新しいストックが増えることになる。ちなみに、本日のブログタイトルをクリックすると、ブートキャンプの詳細情報にリンクが張ってある。
「強者のしくみ」磯部洋 書評68
ダイヤモンド社、2005年刊。
著者の処女出版にして、いまのところ唯一の著作。本を書くのに不慣れな方らしく、いらいらさせられるページ進行となっている。ビジネスの話から戦国武将やら第二次大戦中の日本軍の戦い方やスポーツの技量向上などへと話が及ぶ。それらの分野はビジネスや経営戦略のメタファーとして使われることが多いのだが、ブックを書き慣れていない著者には節度感がつかめないのだろう、本論から離れてしまっていたずらに冗長な書となってしまっている。
そんな瑕疵にもかかわらず、本書には読むべきところがあり推薦できる。それは、セブン・イレブンと並んで2大ケースとして本書が紹介、切り込んでいるしまむらを取り上げたことだ。4-5年前に出たセミナーに同社の藤原会長が来てくれて話をしてくれたことがあった。
その時、
「世間ではユニクロの業績が注目されているが」
と前置きして開示してくれた同社の業績や「仕組み」については瞠目した。
本書の著者が、
「マスコミに現れることが少ない」
としている、しまむらの徹底的な「仕組み」が明かされ腑分けされている本書の様はたいしたものである。逆に内部資料も含めてここまで開示してしまってよいのかと、いつもの疑問を持ってしまう。
2011年3月3日木曜日
「プロ経営者」育成研究 抜粋(2)ービジネスの構造を学び続ける
― その「ベストパフォーマンスを出す」ために、日頃から意識して行っていたことはありますか?
仕事の中では、仕事の手順を工夫するなど、合理的にやる方法を考えていました。楽に結果を出すにはどうしたら良いか、と。
― 留学についても同じような動機だったのでしょうか? サンダーバードに留学されたのはいつ頃ですか?
社会人になって3社目の会社、コーニングに勤めていた時のことです。外資ではMBAがあるのとないのとでは仕事の範囲で天井の違いがあります。MBAホルダーでないと大きな仕事を任せてもらえないと。それはつまらないことだと考えていました。
それは1つの要素で、もう1つは勉強したいという単純な欲求です。ビジネスをやっているからには、うまくいくためのその構造を理解したい。ポジションによって色々と必要なスキルがあります。スキルはツールですが、武器がたくさんあったほうが強くなって効率的に仕事ができる、という考えからです。
(以下、本日のブログタイトルからリンクが)
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