本連載前回記事『ディズニーR隣に同じ広さの「鉄の国」があった!壮観な工場群・浦安鉄鋼団地の秘密』で千葉県浦安にある広大な浦安鉄鋼団地を紹介した。
東京ディズニーリゾートに近い埋立地に造成された107万平方メートルという広大な敷地に270もの事業所が操業している。そのすべてが鋼材を加工する工場か、その物流に携わっているという、ほかに類を見ない単一業界の工業団地だ。私は「鉄の秋葉原」と前回記事で形容した。
約270の事業所は、およそ200の企業が保有・操業している。どのような会社がこの鉄鋼団地で事業を営んでいるのか。『MONUMENT 浦安鐵鋼団地協同組合創立50周年記念誌』に同団地造成初期から操業している枢要な数社が紹介されているので、そのなかにあった株式会社松田商工を事例として取り上げたい。
創業者の松田秀夫氏(現相談役)は、1930年生まれ。16歳で生まれた北海道岩見沢市で国鉄の駅員となった。20歳のときに上京して鉄屑屋に飛び込み、24歳で独立して松田商店を創業した。やがて亀戸に2つの鋼材加工工場を持つが、いずれも60坪ほどの広さだった。中小というより零細といっていい典型的な町工場だったわけだ。
(この項 続く)
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