競技者としての白鵬の実績、記録は比類ないものがある。記録だけを見れば平成の大横綱、あるいは不世出の大記録をたたき出すかもしれない。しかし、大相撲が体現してきた歴史と伝統を戴く最高位者としては、白鵬は近年私たちを幻滅し続けてきた。
数年来の荒い取り組み、立ち会いの乱れ、勝負が付いた後の駄目押しなど、いやな記憶をたどれば切りがない。とどめは九州場所11日目の、勝負が付いた後の数分間にわたる審判員への抗議だった。大相撲では前代未聞の行動であり、見ていて恥ずかしさを覚えた大相撲ファンは私だけでなく、多くいた。
大相撲の横綱の構成は現在不安定な状況になっている。日馬富士が引退し、鶴竜も稀勢の里も4場所連続の休場で引退の危機にある。競技的には一人横綱の責任を果たしているのが白鵬だ。だからこそ、驕りが増長していると言っては言い過ぎか。
しかし、大相撲が日本の伝統と歴史を体現している以上、それにそぐわないのなら、たとえ無横綱時代がしばらく来たとしても、そのほうがましだと考え始めた好事家も多いのではないか。
(この項 終わり)
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