本書はまた、科学ジャーナリズムが実践される過程を如実に示した。一つの記事を紙面に出すまでどのようにして情報を集め、関係者あるいは学者などにコンタクトを取るのか。
そしてそれらを取捨選択する記者自身の学識あるいは学習とはどんなモノなのか。それらの密度とレベルの差が、他紙と異なるスクープを生み出すというプロセスが良く理解できる。
本事件は、笹井芳樹氏の自死という痛ましい結末をもたらした。それについて筆者も本ブログ「欠格のトップ・野依理研理事長、責任取らぬまま辞任 怠慢でSTAP問題の傷広げる」(2015.3.9)で強く非難した。しかし私の稚拙で声高な指摘よりも、本書のfact-baseで抑揚を押さえた事態の指摘が遙かに有効に説得している。
それにしても、、「捏造の科学者」はこのまま何の罪に問われないままでいられるのだろうか。
(この項 終わり)
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