●従業員経営者という出自を超える振る舞い
しかし、セブン&アイHDにおいて、鈴木会長は従業員経営者という出自を超えて振る舞っているようにみえる。というのは、今回の決算発表と同時に、鈴木会長の次男・康弘執行役員(50)が取締役に就任すると発表されたのである。今秋に本格的に開始するインターネットと実店舗を融合させたオムニチャネル戦略の責任者として、事業を指揮していくという。
セブン&アイ・グループのように売り上げ規模10兆円を超える大企業で、世襲のような役員就任があるのは極めて珍しい。オーナー企業や創業家が存在する企業であれば、経営者の係累が役員になるのは珍しくないし、受け入れられることだろう。
筆者はもちろん康弘氏の能力に疑義を呈するものではない。セブン&アイHDとしてももちろん、同氏の実績と能力による役員就任だと説明することだろう。 同社のような大企業で、会長の子息が偶然にグループ社員5万5000人より優れているというのは素晴らしいことだ。さすが、大経営者である鈴木会長の子息だけあると賞賛したい。
(この項 続く)
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