13年度、ゴーン氏は9億円以上の報酬を得ているが、会社に対して5271億円もの経常利益をもたらしている。ゴーン社長のCOEは529.8となる。ユーシンの経常利益額は10億6000万円ほどだったので、田邊氏のCOEは1.3にすぎない。また両社の規模は年商ベースで68倍もの開きがある。68倍規模の日産を経営しているゴーン氏より、田邊氏は407倍過分な報酬を得たといえる。
同様にユニバーサルの岡田氏のCOEは29.2だったので、田邊氏は岡田氏より23倍ものCOE報酬率で受領したということになる。つまり、上位3社長の中で田邊氏の報酬はCOE的には極めて突出している。
14年11月30日付本連載記事『話題のユーシン社長公募、なぜ失敗?』でも取り上げたとおり、田邊氏は高額報酬を得る一方、ここ数年間後継経営者探しで迷走を続けている。上場企業としては珍しく2度にわたって後継社長を新聞広告などで募集した。そして実はその前にも1人外部から迎え入れている。つまり3度も外部から後継社長を迎え入れようとした。
しかし、現在でも田邊氏が会長兼社長の座にあることを、筆者は同記事で「つまるところ、オーナー経営者である田邊氏が禅譲したくないのだ」などと指摘した。経営者にいくら報酬を払うかは、もちろんその企業が決めることである。そして株主総会で追認されれば、規定に則ったということだ。しかし、外部から見れば「辞める辞めると言っている社長が、日本でも指折りの高額な報酬を手にしている。そしてそれは他社に比べて極めて破格だ」ということになる。田邊氏に限っていえば、「日本で経営者をやるのも悪くない」ということだろう。
(この項 終わり)
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