演説途中、数百人もの高位高官が十数回もスタンディング・オベーションで強い賛意を示した。安倍首相の後ろに座っていたベイナー下院議長などは、太平洋戦争における硫黄島戦闘のくだりで感極まって泣いていた。
今回の演説を「カンペを見ていた」「発音が悪い」「時々つかえた」などと腐す向きもあるが、これらは非英語圏である日本人が英語でコミュニケーションを取ろうとする時の困難を知らない人たちの非難だ。つまり「ないものねだり」である。
かつて、中曽根康弘元首相がある国際会議で日本人首相としては珍しく英語でスピーチを行ったことがある。その時、「United Nations(国連)」と言うべきところを「United National」と言い間違えた。何人かの評論家たちが鬼の首を取ったように「重要な演説なのだから、しっかりした通訳を使って日本語で行うべきだった」とコメントした。
そんな指摘はまったく馬鹿げている。
(この項 続く)
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