2015年5月11日月曜日

ソニーの命運 事業ポートフォリオセオリー戦略次第(4)

歴代社長の罪

 アップルがソニーを凌駕してきたものは何か。iPodで音楽の楽しみ方を提案し、iPhoneスマートフォンの世界を切り開いた。しかし、アップルは既存技術とコンテンツ、その提供方法を組み合わせて、新しいビジネスモデルとしてプロモートしたにすぎない。個々の技術分野で新たに開発をしたわけではない。

ソニーは、これらの新世代的な製品について、構成要素としてはすべて保有していたし、それぞれの分野では凌駕していた。拱手傍観していた出井伸之氏以降の歴代社長の罪は重い。

 主要部門がエレキであり、そこへの回帰が王道だと考えられている間は、ソニーの本格的な復活はない。新しいビジネスモデルをひっさげ、「新生ソニー」として再登場する必要がある。「新しい器」には「新しい酒」が入らなければならない。そして「新しい器」には当然、新しい経営者が必要である。
 
(この項 終わり)

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