アップルがソニーを凌駕してきたものは何か。iPodで音楽の楽しみ方を提案し、iPhoneでスマートフォンの世界を切り開いた。しかし、アップルは既存技術とコンテンツ、その提供方法を組み合わせて、新しいビジネスモデルとしてプロモートしたにすぎない。個々の技術分野で新たに開発をしたわけではない。
ソニーは、これらの新世代的な製品について、構成要素としてはすべて保有していたし、それぞれの分野では凌駕していた。拱手傍観していた出井伸之氏以降の歴代社長の罪は重い。
主要部門がエレキであり、そこへの回帰が王道だと考えられている間は、ソニーの本格的な復活はない。新しいビジネスモデルをひっさげ、「新生ソニー」として再登場する必要がある。「新しい器」には「新しい酒」が入らなければならない。そして「新しい器」には当然、新しい経営者が必要である。
(この項 終わり)
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