2017年10月14日土曜日

ヤマト、経営陣は問題をすべて営業現場へ丸投げ…一斉大幅値上げで社員の労働改善(8)

経営者には覚悟と責任が



 ヤマトの宅急便ビジネスが社会的に注目を浴びたのは、16年に発覚した大規模な残業代未払い事件だった。同社は17年2月に至り、組合との春季交渉で宅配便の総量抑制の要請を受け、「申し入れを真摯に受け止め、対策を図る」とした。そして、再配達の手順見直し、価格値上げ、働き方改革などを打ち出してきたわけだ。

 今回の中計では、荷物の総量を18年3月期までには17億7000万個まで減らし、体制を整え直した後に再上昇に転じる、とした。

 しかし、総量減活動の途中結果はどうか。8月末に発表された直近の同社資料では、4月から8月までの今期累計で、宅急便取り扱い個数は対前年比104.2%と増えている。ついでながら17年3月期で取り扱い価格は、対前年比で3.3%減じていた。

 山内社長は中計で素敵な絵を見せてくれたが、足元ではまだ組合との2月の約束以来、何も起こっていない。夜間配達専用セールス・ドライバー1万人新雇用なども実現性はどの程度あるのか。

(この項 続く)

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