株主資本主義では「最大株主は会社を潰してもよい」とされるが、実際にはステークホルダーのことを慮るべきだろう。
合併延期の発表により10月13日、出光の株価は前日比6%安、昭和シェル株は5%安と急落した。創業家が合併反対を打ち出して以来、両社の時価総額は約460億円減少している。つまり、多くの株主が損失を被っている。
9月に入り、出光の販売店組織「全国出光会」が合併に賛成の立場を表明し、創業家と経営者側に話し合いの再開を要望した。経営合理性という観点から創業家はその論点の「理」を持たないとしたら、創業以来取引のある販売店の離反により、「義」を失ったというべきだろう。
(この項 続く)
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