「今はチーム玉塚として、みんなで肩を組んで歩いている(ローソンのフランチャイズ店舗の有力オーナーの談)」(同記事)
前任だった新浪経営が強いトップダウンによるリーダーシップとすると、玉塚経営は協調チームワークだったともいえる。そんな経営者だからこそ、いざとなれば親会社からの派遣経営者に自ら軍扇を差し出してしまったように見えるのは、その育ちのよさからなのか。放棄してしまったなら、リーダーシップも何もあったものではない。玉塚氏は「キングになれなかったプリンス」のままで終わるのだろうか。
外様である玉塚氏を遠ざけていくのがローソン経営の実態だとすると、今後コンビニ3強の戦いは、セブン&アイHD社長の井阪隆一氏、そしてユニー・ファミリーマートHDの上田準二社長という2人の個性ある経営者との戦いとしてみることができる。
井阪氏は恩人である鈴木敏文氏を結果として放逐し、上田氏はユニーとの統合を果たした。いずれも荒事、修羅場くぐりを果たした、覚悟が決まった2人の経営者である。腰の引けた玉塚氏では勝負にならなかっただろうが、この2人に対して三菱商事流の組織経営となるローソンがどんな戦いを展開するのか。
いよいよ天王山は近いのか。こんな企業戦争には滅多に遭遇できることはないだろう。括目して見守りたい。
(この項 終わり)
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