私が参加したツアーでは、特別にリクエストしているオーパス・ワンというワイナリーを訪問した。ここはカリフォルニア・ワインの父といわれたロバート・モンダヴィが開設したワイナリーで、現在もナパでトップ・クラスだ。
モンダヴィで興味深いのは、彼が農民や醸造技術者ではなく、名門スタンフォード大で経営学を専攻したビジネス企業家だったということだろう。マーケティング的な手法でカリフォルニアのワインを世界中に知らしめた。ボルドーなど、ヨーロッパの産地では伝統的な運営形態が続けられているが、カリフォルニアでは近代的な企業ビジネスとして「経営」されるようになった。
栽培技術については、これもサンフランシスコ郊外にあるカリフォルニア大学デービス校(UCデービス)が深く関与している。UCデービスの農学部はブドウ栽培やワイン醸造について全米屈指、いや世界的な権威ともいえる。そこの教員たちがナパのワイナリーに現在でも足しげく通い、栽培などについて指導しているのである。
(この項 続く)
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