筆者は2月27日放送の『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)に出演して以来、大塚家具の経営権をめぐる紛争について見解を求められることが多いが、報道を見ていると的外れなものもある。
あるテレビ番組で、「3月27日の株主総会で、発行株数の過半数をどちらも集められなければ、父会長側と娘社長側両方の取締役案とも成立せず、『第3の案』へと持ち越されてしまう可能性がある」と解説されているのを見て、驚いた。委任状を含めて株主総会における有効株数の半分以上を制したほうが勝つのが、会社法の決まりであり、どちらか一方が必ず勝つからだ。
筆者は同番組内で「大塚勝久会長が勝つ」と言い、「大塚家具は上場している公開企業なのに、同族企業の側面が根強いことが基本的な問題だ」と解説した。公開企業のため業績の回復や利益の多寡などの視点からも論じられているが、同社がまだ実質同族企業だからこそ、そして今回の騒動が父娘の対立という家族問題だからこそ、これほどまでに世間の耳目を集めているわけだ。
(この項 続く)
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