2015年3月23日月曜日

武田薬品、壮大な実験?外国人幹部主導の「根こそぎ国際化」(3)

実は14年10月、武田は株式時価総額で初めてアステラス製薬に抜かれるという事態に直面した。もちろん社長就任直後のウェバー氏の責に帰するものではないし、そんな事態に差しかかってきたからこそ、長谷川氏はウェバー氏を招請したのだろう。

 長谷川氏の「タケダ・グローバリゼーション」への覚悟は強い。経営の最高執行機関として「タケダ・エグゼクティブ・チーム」を組成したのだが、ウェバー氏を筆頭に外国人が16人中10人を占めている。これらの外国人幹部らも、ウェバー氏の存在がなければ獲得はならなかったと長谷川会長は振り返っている。武田は、経営の上層部から根こそぎ国際化しようとしており、同社ほどの国内大企業では起こり得なかった事態が起こっているのだ。

●外国人の経営トップ起用、分かれる成否


 近年、国内大企業、それもオーナー系の大企業で、従業員社長ではなく外部からプロ経営者を招くケースが目立ってきている。LIXILの藤森義明社長やベネッセ原田泳幸社長などだ。しかし外国人の経営トップを推戴したケースでは、成否が分かれている。

(この項 続く)

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