パナソニックが新年早々に、海外生産の大きな部分を今春から順次国内生産に切り替えることを発表した。まず縦型洗濯機や電子レンジを、続いて家庭用エアコンも中国生産から国内生産に戻すとしている。
これはもちろん最近の円安に対応した措置である。パナソニックは家電製品の約4割を海外生産しており、1円円安が進むと年換算で約18億円の利益減少になるという。1ドル120円の為替相場では大幅な減益が出てしまうことになる。
中国やアジアなどの生産拠点各国での人件費高騰もあり、国内生産回帰の動きはダイキン工業やキヤノンでも見られていたが、大手が国内で生産を再立ち上げするのは、実は容易ではない。部品部材などの供給メーカーにまで海外進出をお願いした揚げ句、旧来の自社工場は空洞化していたりする。また、為替相場も2~3年ベースで考えればどう動くかは不透明で、国内回帰を成し遂げたと思ったら1ドル100円を下回る円高が戻ってきたりする可能性も否定しきれない。
(この項 続く)
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