イーストマン・コダック社がチャプター11を申請し、実質倒産した。
銀塩フィルムに固執したのが倒産のルート・コーズである。しかし、同社がディジタル・カメラの開発社であった事実は、経営戦略選択の上で興味深い観察事例だ。
銀塩フィルム分野での覇者であったからこそ、同社は新しい技術であるディジタル・カメラの世界で先頭に立つことを”望まなかった”。このことは私が前著「超実践的経営戦略メソッド」(日本実業出版社)で、イノベーションのジレンマに対峙した企業例として、昨年指摘したばかりだ。
同社は結局自社が強固に構築したバリュー・ネットワークの呪縛から逃れなかったのである。
しかし従来のバリューネットワークの呪縛から逃れるかどうかも、結局戦略的な選択である。
同様な状況に直面していた富士フイルムが、それを契機として銀塩フィルム以外の分野に積極的に出て業容を変貌させた。今では化粧品や液晶ガラスに貼りこむフィルムなどの素材メーカーになっている。
いずれ社名を変更するか、B-to-Cでは別ブランドを設定する必要があるだろう。
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