日本経済新聞出版社、2008年刊。
良い本である。ここで「良い本」には二つの意味がある。
まず、内容がよい。企業組織の中で部下を指導したりリーダーシップを発揮するのには様々な手法があり、管理職や経営者は試行錯誤的に有効な方法を選び、行使してきた。その方策の選択により、リーダーシップにはいろいろなスタイルやバリエーションが生まれてきているわけだ。
本書は、私たちが直覚的に行ってきたリーダーシップを、行動分析学というできあがったセオリーにより解説してくれている。
経営学で、セオリーを学ぶことの有効さを如実に体得できる好著だ。「まず知って、それを実践」すれば、効率がよいし、過ちがない。
次によいのが構成である。各章の始まりにケース・スタディを持ってきている。それはもちろん架空のケースだが、16章を通じて同じ企業での場面を変えての展開となっている。そして、どの章でも行動分析学のスペシャリストでもあるHRビジネス・パートナーとか言う耳慣れない職種の人物が活躍する。
仮想ケースの設定に瑕疵をあげつらうことも出来るが、それよりも出来の良さの方を褒めたい。ケースの後に、専門用語とセオリーの解説が続くという章構成であり、展開である。理解しやすい。
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