これは、グレゴリー・ケリー前代表取締役が6月発売の月刊誌「文藝春秋」(文藝春秋)で告発していた。ケリー氏はゴーン氏とともに逮捕・起訴された人物である。ケリー氏としては自らを告発した西川氏に対して“You,too”という恨み節の暴露をぶつけたわけである。検察は西川氏を「嫌疑不十分」として不起訴としたが、都内在住の男性がその決定に対して検察審査会に不服の申立を行うなど、西川氏に対する批判も根強かった。
西川氏はそもそもゴーン氏が逮捕される直前までは「日本人としては随一の側近」という立場にあった。その「もっとも近かった側近」の「No.2経営者」がゴーン被告の日産や社会に対する不法行為を知らなかったはずはない、同罪ではないかという指摘もあった。逆に「知らなかった」とすれば自身がCEOとしてゴーン氏に対する監督不行き届き、つまりガバナンス上の責任が問われる立場だった。
ケリー氏が指摘していた西川氏の報酬不正問題とは、ストック・アプリシエーション権(SAR)に関するもの。西川社長は13年5月にSARに基づいた報酬を受け取る期日(権利行使日)を設定し、報酬を受け取る権利を行使した。その後、日産の株価が上昇した。西川氏は行使日を1週間ほど後ろにずらして権利を再行使し、当初定められたよりも約4700万円多くの報酬を受け取っていたのだ。業績連動型の報酬制度であるSARでは、一定の期間中に株価が事前に決められた水準を上回ると、差額部分が現金で支払われる。
(この項 続く)
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