潮田氏のそんな側面と絡めて、同氏の経営への関与を“趣味人経営”と評する報道もあった。そう評されるとき、それは潮田氏の文化的趣味を“道楽・数寄(風流の道)”ととらえ、同氏のLIXIL経営への取り組みもしょせんは同氏の道楽の一つと断ずる見方だったであろう。
確かに潮田氏は2012年に取締役会議長に上り詰め、いわば経営の第1線から距離を置いた。しかし、外部から藤森氏、瀬戸氏と続けてスター経営者を招聘して、自らはオーナーのごとく院政を敷いてきた。
2氏を連続して更迭したことで、もう次にスター経営者を外部招聘できなくなったことから、昨年暮れに急遽自らがCEOに復帰しなければならなくなった。この時も、指名委員会の議長本人が自らをCEOに指名するという、利益相反的な行動をごり押ししてしまっている。正常なガバナンスとは言えない、やりたい放題のオーナーもどきだった。
この時のトップ人事の不透明性を海外機関投資家から非難され、今春その是非を問う臨時株主総会の開催が決まると、潮田氏はさっさとCEOを辞任してしまった。そして、6月の定期株主総会での取締役辞任も表明して、臨時株主総会の開催をつぶしてしまう。
ひとたび公の席で説明責任を果たさなければならない状態が発生すると、その責任をあっさり投げ出してしまった。まるで自分のほかの趣味と同様に軽く対応したその様は、「道楽経営」「海外居住者のパートタイム経営」などと謗られても仕方がないのではないか。
(この項 続く)
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