しかも、瀬戸氏解任に当たり指名委員会の委員長だった潮田氏は、瀬戸氏には「委員会の総意だから」と告げ、取締役会では「瀬戸氏から辞任の申し出があった」と、両者を愚弄するような対応をしたとされている。ここで両者を愚弄した、というのは株主をも愚弄したというに等しい。
となれば、この実績のあるプロ経営者が希望しているのだから復活の出番を与えるのがガバナンスの王道というものだろう。
瀬戸氏自身はLIXILの経営風土として「深く根付いた忖度文化が立ちはだかっていると感じたのは一度や二度ではありません」(「文藝春秋」<文藝春秋/2019年6月号>記事『私は創業家に屈しない』より)と、指摘している。
LIXILは、このたびの取締役選任争いを奇貨として瀬戸氏が指摘しているような忖度人事から決別すべきである。潮田氏は社外に出て、ただの一般株主のステータスになるはずだ。つまり在野の存在となる。この際、トップ人事という大事を透明性のある議論で決定する方向に舵をきるべきだ。
幸い、指名委員会が提出した8名の候補のなかには、社内の候補は1人しかいない。瀬戸氏側と合わせて16名全員を新取締役として選任し、瀬戸氏がCEO代表取締役に選任され復帰するのが、成り行きからみてLIXILの大義だと私は思う。
さらにこの機会に、形骸化していた同社の指名委員会を実質機能させ、社外のオーナーもどきの人たちの影響や関与(クビキ、呪縛といったほうがいいのか)から、同社のステークホルダーの皆さんが完全に解放されることが望まれる。
(この項 終わり)
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