しかし、私はこの人事に対して前出記事で次のように指摘したが、果たしてその懸念は的中してしまったようだ。
「さてカサノバ社長はマーケティング畑、ラーソン会長と下平副社長は現場オペレーション畑という布陣だが、『現場に近すぎはしないか』という懸念も残る。(略)別の言い方をすれば、『今のやり方で袋小路に入ってしまっているのに、過去のスペシャリストばかり集まってしまった』と評することもできる」
カサノバ社長自身が大胆で抜本的な舵取りをしないことの補完的な役割として、下平氏やラーソン氏を招きいれたとしたら、戦略的には悪手な人事だった。なぜなら、同じ成功体験で育ってきたエグゼクティブは、同じ手法しか繰り出さないからだ。海に投げ出されたときに泳げない者同士がしがみついているようなものとなる。
オペレーションの改善に力を発揮すると期待された下平副社長は、直前には有力FC法人の幹部として腕を振るっていた。しかし、企業がターンアラウンド(方針転換)を目指す場合、既存のネットワークやステークホルダーと強い関係があることは、逆の効果となってしまう。人間関係がまったくない、外部からのプロ経営者の招聘や、本部からの派遣経営者のほうが大鉈を振るえるものだ。
(この項 続く)
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿