すると、会社側も8名の取締役候補を立てて瀬戸氏に対抗してきたのである。当時の会社側というのは潮田氏側に近いと目されていて、いわば「体制派」あるいは「守旧派」と解されていた。そのなかに、というか中心的人物として松崎氏が登場したわけだ。
潮田氏は瀬戸氏側の反撃などがあって、株主総会を待たず自らCEOを降板したが、与党的な取締役会を組織して院政経営を敷くのではないかとの推測もされていた。会社側の取締役候補となることは、潮田氏の「傀儡政権」と見られる恐れがあった。そんな構図のなかで瀬戸氏への対抗馬として、あえて会社側から擁立される著名経営者が出現したことに私は興味を抱いた。「いったい、どんな了見で」と、素朴に思ったものだ。
LIXILの株主総会では瀬戸氏側が勝利してCEOに復帰し、松崎氏は取締役会議長に収まった。両者が手打ちをしたようなかたちでLIXILの経営は始まっている。
新体制におけるLIXILの業績推移にも興味が持たれるが、私は担ぎ出されて登場した松崎氏に興味があり、注目していた。先日とある会で松崎氏が講演をするというので、そのご尊顔を初めて拝むことができた。同氏についての私なりの印象と、松崎氏のコニカミノルタでの経営実績を評してみたい。
(この項 続く)
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