2大助言会社の推奨リポートは概ねでは共通していた。それは、「会社側候補を推奨、瀬戸氏側候補に反対」というものである。本記事では両リポートが掲げていた理由は省略する。今となっては「詮無いこと」だからだ。
ただ、第1号議案と第3号議案で個別の候補について上述した異なった見解を示した。このような推奨に対応した投票をするとしたら、3議案を分割して、個人投票にまで降りていくしかないのだ。
今回の総会には特に世間の注目が集まっていたので、LIXILとしても透明性のある投票方法を考えるしかなかったのだろう。総会が近くなり、瀬戸氏側が東京証券取引所に総会での投票立会を求めたことも、うまい圧力となったと思う。
議決権行使助言会社が行った助言には、株主たちの投票に反映された部分とそうでない部分が出た。
個別投票となり、最も得票率が高かったのが第2号議案の2名で、それぞれ94%強を獲得した。この2名は瀬戸氏側候補と自認していたが会社側も候補としていたので、両方から支持が集まった。
それ以外の全候補のなかで最も得票率が高かったのが濱口大輔氏で、64%強を獲得した。これは、グラス・ルイスが「瀬戸氏側候補のなかで唯一、濱口氏を推奨する」としたことの影響とみられる。ちなみに、当選した他の全候補とも得票率は50%前半で、全員が辛うじての当選となっていた。
(この項 続く)
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