松本会長が打とうとしたもうひとつの大きな一手は、後退してしまった。それは北米事業だ。松本会長が着任する前、06年にカルビーは現地でのジャガイモ生産会社大手であるR. D. Offutt Companyと合弁でCalbee North America ,LLCを立ち上げていたが、17年初頭にこの合弁を解消した。15年にミシシッピ州に工場を立ち上げていたのだが、そのキャパシティを埋めるだけの売上が確保できず、苦戦していた。18年3月期の通年では営業赤字となる見込みだ。
北米での蹉跌は、日本のブランド食品は中国やアジアでは人気が出る、あるいは受け入れられるが、欧米では難しいということだろう。単純に文化や食文化の違いがあるため、それを乗り越えるのは難しいということだ。
それでは、そのハンデを克服してカルビーがどう打って出るのか。北米に現地人による開発チームを組成し、北米に合った新商品を投入するということだろう。さらにもうひとつ、北米での材料調達、つまりジャガイモの買い付けだ。何しろ北海道での調達や契約栽培の確保が天井感を増してきている現在、北米、特にアイダホ州からのポテト買い付けに動くべきだろう。もちろん、品種の問題があるが、カルビーが改良して開発したと報じられている新種のジャガイモ種を提供して生産させるという手がある。
私も経験したことだが、外から乗り込んだプロ経営者も数年すると、改革のカードを切り終わってしまって、手詰まりになることがある。松本会長が活躍するステージを変えることも有用なこととなるのではないか。新天地でさらなるトラック・レコードを積み上げるのはどうだろう。
(この項 終わり)
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