それにしてもこんな大企業を率いていく組織形態というのは一筋縄ではいかないもので、その証拠に前述のマトリックス構造に加えて、トヨタは技術分野別の3カンパニーを設置した。これらのカンパニーは、機能別組織となる。
トヨタの新体制は、こうしてみると「あれやこれや」で代表的な組織構造を3つまでも混在させようとしている。このような新奇で大胆な組織体制が機能するのか、貢献するのか、大いに注目されるところだ。
さらにトヨタの場合、特異的な経営要素としてみておかなければならないのは、豊田社長の存在だ。同氏は米国公聴会を契機に「吹っ切れた」(前出・週刊東洋経済記事)と自認しており、外部から言わせると「一皮剥けた」という表現ができる。創業家出身という出自も踏まえて、その求心力を大きく強めてきた。大トヨタを率いるヘッドオフィス機構として今回は4人の副社長を配置し、磐石の体制を敷いたようにみえる。
新体制をロールアウトしたトヨタは、そして豊田氏はどんな地点まで到達しようとするのか。できるならば「21世紀の松下幸之助」と言われるまでのレベルを目指してほしい。
(この項 終わり)
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