華人型経営に見られる家族型経営が織り成す別の性格は、「家族になれなければドライな関係」というものだ。そのため、東南アジアでの華人型企業での年間離職率は30%を超えることも珍しくない。3年たつと幹部以外皆違う人という世界だ。
ゴウ氏にとって、シャープはまだ「家族として扱えない」段階だ。だから高橋氏も躊躇なく更迭された。この先、シャープへの出資が完了して同社が名実ともに鴻海の手中となったら、シャープはどのように発展、あるいは切り刻まれるのだろうか。
三菱自を傘下に入れた日産のゴーン氏、念願のシャープを手中にしようとしている鴻海のゴウ氏。両社それぞれ新しいオーナーシップのもと、どのような変容や発展を遂げていくのだろうか。しばらくは目が離せない。
(この項 終わり)
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